二人の戦士が
廊下で座り込んでいる
そこに
一人の女が現れ三人は屋上へ向け歩き出す
「ところで佐鬼、犯人はどうした?」
狼牙が佐鬼に向かい話し掛ける。
その言葉に首だけをこちらに向けて佐鬼が答える。
「逃がしちゃった♪」
「な・・・」
竜也は呆然とする。
当たり前だ、自分達をこんなにした張本人を佐鬼はあっさりと逃がしたと言ったのだから。
だが、狼牙だけは違った。
「そうか、貴女にも考えがあるんでしょう・・・」
「ありがと~♪やっぱり狼牙はやさし~♪」
そう言い狼牙に飛びつく佐鬼。
狼牙は佐鬼を引き剥がし、言葉を続ける。
「ただしです、今後は勝手な行動は止めてください」
声を荒げて叫ぶ狼牙。
「は~い♪」
解っているのかいないのか、佐鬼は返事をする。
そうこうしていると屋上に辿り着いた。
「開祖様~♪ただいま~♪・・・あ」
突然声を上げて立ち止まった佐鬼に目をやり次いで司の方を見る・・・そこには・・・
「司ーー!!!」
竜也が叫ぶ。
屋上の端っこ、フェンスに凭れ掛るようにして寝ている人物が二人。魁斗と司、しかし、司の髪はいつも通り白くなり元に戻っていた。
「うにゃ~~・・・」
竜也の声に目を覚ましたのか、司が目を覚まし大きな欠伸をする。
「あ~あ、元に戻ってるし・・・まあ、開祖様に合えただけでも良いか♪」
そう言い闇に溶けるように消えていく佐鬼。
「竜也さん、また用事のある時は読んでください。私は彼方と同じクラスで紫藤狼牙として登校してます。佐鬼さんはうちの学校の保険医ですから」
そう言い狼牙も消えていく。
残ったのは状況がつかめない様子の司と、まだ眠っている魁斗だけだった。
そして、竜也が魁斗を背負い司と共に家路についていた時
「そう言えば竜君、今の私と開祖の私、どっちが良かった?」
そう聞いてくる司。
その言葉に竜也はそっぽを向いて答える。
「司はお前一人だけや。他の何者でも交換できん・・・」
そう言いさっさと歩いていってしまう竜也。
「まってよ~♪」
司も慌てて後を追う。
竜也の近くまで来た司が呟く。
「ありがと♪竜君」
だが、その声は小さく竜也の耳には聞こえなかった。
と、そこで竜也が振り向き真剣な顔で司を見る。
「そう言えば司、契約の事やけど・・・」
その言葉に体ごと竜也を見る司。
「破棄させてもらうわ・・・」
その言葉に今まで笑顔だった司の顔が急に暗くなる。
「どうして?やっぱり、私の力が怖いから?」
そう言いまるで10年前、始めてあった時のような顔をする。
「阿呆、そんなわけあるかい。お前の命貰ってまでいきたいとは思えへんのや」
そこで言葉を止め司の頭を撫でる。
「それに、何時までも一緒に居たいからな・・・」
そう言いまた顔をそむける竜也。
その言葉に泣笑いのような表情を浮かべて達也に飛び掛る。
「ありがとう、竜君」
司が送るフリートークコーナー
「はい司です」
「佐っ鬼で~っす♪」
「今回はすっごくらぶラブですね・・・」
「そうなってもらわないと、気を利かせた私たちの意味がないじゃない」
「あう・・・」
「この後お泊まりしちゃったりして~♪」
「・・・・・・誰に向っていっておるのだ?佐鬼・・・」
「わ~、か、開祖様~、何で~」
「それは後々わかる事だ・・・」
「あう・・・あう・・・」
「もういい、それでは次回に合おうぞ」
「た、助かった~」