自分を犠牲にする
自己犠牲
私の一番嫌いな言葉
その行為を
私はしてしまった
大好きなあの人を守るために…
体に冷たいものが入ってくる感触
口の中に広がる鉄っぽい味
竜君を守るためとは言え、馬鹿な事をしたと自分でもわかる
馬鹿・・・そうだね・・・
竜君、怒るかな?
それとも・・・
やめておこう・・・
もう・・・疲れたよ竜君・・・
戦いも・・・陰陽師の仕事も・・・
もう・・・いいかな?
諦めても・・・いいのかな?
生きるのも疲れた・・・もう・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・いや・・・
終わりたくない・・・このまま何もしないまま・・・竜君に自分の気持ちも伝えないまま死ぬなんて・・・絶対にいや
私が何かしても意味の無い事なのかもしれない・・・
でも、それでもこのまま死ぬなんていや
体は・・・動かないか・・・
声も出ないし・・・
やっぱり今の私に出来る事なんて・・・
ううん、何か・・・何かきっとあるはず
絶対に皆のところに帰ってみせる
できなかった時の事を考えてもどうしようもない
出来ないんならすれば良い
私には帰りを待ってくれてる人が・・・
私が死んだら泣く人が居る
私が諦めたらその人たちに申し訳が立たない
『良く頑張って戻ってきた・・・』
だれ?
『我は司、そなたの魂に寄生する開祖の魂だ』
かい・・・そ・・・?
『司よ・・・我と同化しろ・・・そうすれば、『つかさ』は生きられる』
ちょっと待って、司ってどっちの司?
あなた?それとも私?
『司は最初から一人・・・御堂司ただ一人だ』
それじゃあ・・・それじゃああなたはどうなるの?
『光があれば闇もある・・・闇が消えれば光も消える』
ちゃんと答えて
あなたはどうなるの?
『消えるだろう・・・』
そんなの駄目だよ
『聞け、司・・・消えるといっても完全に消えるわけではない』
どう言う・・・事?
『我はそなたとしていき続けるのだ・・・先ほども言ったように闇・・・即ち御剣司が消えれば、光・・・御堂司も消える・・・』
どう言うこと?
『同化するのだ・・・二つの魂を一つにする』
そんな事できるの?
『解らない・・・やったことが無いからな』
・・・・・・・・・
『やってみるか?それはそなたが決めろ』
・・・・・・やる、どうせそれしか残ってない見たいだし・・・
『よく言った・・・我はそなたに全てを委ねる・・・頼んだぞ』
消える開祖の影
その影が一瞬こちらを振り向き喋る
だが、その言葉はすでに司の耳には届かなかった
『今まで・・・なかなか充実した日々だったぞ・・・ありがとう』
その言葉が終わると辺りは光に溢れ世界が霞みだす
全てを飲み込むように
司が送るフリートークコーナー
・・・・・・・・・・・・
『今回も司会者不在のため休ませてもらいます
すいません』