朝・・・・私は変わらず学校に向かう
でも、昨日の人・・・ううん、邪悪な気配すごく気になってる・・・。
「気が・・・・昨日の夜から濃くなってないか?」
幼馴染の天草竜太の家は、妖怪退治屋をしている
「それがね・・・・・。昨日突然開かずの扉が開いてたの。封印はなんとかできたんだけど・・・・。」
「・・・・そうか」
竜太が腕を組みながら話す。
「でも、封印したし大丈夫だと思うよ。お兄ちゃんにも確認してもらったし」
「晟(せい)さんか・・・なら、心配はいらないか・・・・。」
まだ、不安があるのか下を向き考え込む竜太。
「・・・・・?」
学校の正門に近づいた時・・・・・。
≪ダダダダダダダダダダダダダダダダッッッッッッッッ≫
物凄い足音が聞こえてくる・・・・。
「せんぱぁーーーーいv」
聞き覚えのある声・・・・・この声は・・・・。
「きゃッ!」
その声の主に後ろから抱きつかれた。
「えへへv先輩おはようございますv」
「お、おはよー京ちゃん・・・・。」
声の主は、後輩の松波京介くん
今年入ってきた高1
お姉さま方の絶大な人気にもかかわらず・・・・こんな私に抱きついてくる子なの
その京ちゃんを狙うお姉さま方の視線が痛い・・・・(汗)
「りゅ、竜太・・・・(涙)」
私は、京ちゃんに抱きつかれたまま竜太に助けを求めた
「しょうがないな・・・・。」
竜太はいうなれば私の幼馴染権ボディガードみたいなもん(笑)
妖怪にも襲われるからいつも助けてもらってるの。
お姉さま方の視線を気にしながらくっついている京ちゃんを
竜太におろしてもらうと校舎に向かって歩き出す。
「先輩、放課後の部活でねv」
テコテコと手を振りながら走っていく京ちゃん
京ちゃんににっこりと手を振り
教室に着くとぐったりと机にへばりつく。
「はぁ~、疲れた・・・・。」
「おいおい、巫女がそんな格好するなよ(呆)」
あきれた顔をする竜太。
「竜太にはわからないでしょうね・・・・私がどれだけ苦労してるか・・・・。」
≪ガラガラガラッ≫
教室のドアが開き、担任の先生が入ってくる
「起立、礼!・・・着席。」
「おはよーv皆さん。今日は、授業の前に、転校生を紹介しまぁすvvさあ、入ってちょーだい」
「転校生かぁ・・・・男の子かな?女の子かな?」
子供見たくワクワクしながら竜太に聞く私。
「俺が知るわけないだろ?」
そりゃそうだわね・・・・。
≪ガラガラガラッ≫
「初めまして森 幸人です。よろしく」
入ってきたのは、色白の美形というよりも美人という言葉が似合う男の子だった。
「あいつ・・・・ヤバイ。」
「ぇ、なにがヤバイの?」
竜太は、転校生君のほうを向きながら冷や汗をかいている。
「・・・いや、なんでもない」
視線をそらすと、下を向いて返事をした。
「じゃ、森君は・・・・緒方さんの隣ね。」
「はい」
転校生く・・・もとい森君が、私の隣に座る。
「よろしくねv私、緒方華南」
「よろしく、緒方さん。」
手を差し出した森くんの手を握る
「・・・・・・。」
ニヤッ・・・・
。
「華南!!」
≪パッ≫
竜太が、私と森くんの手をすばやく離す。
「な、なに!?」
「華南ちゃん大丈夫!?」
現れたのは、隣のクラスの風松波夜君
どうやら、森君の強い妖気に気づいて時間を止めたらしい
「なぁ~んだ。お仲間がいたの?」
ニヤニヤ笑う森くん・・・・。
「姉貴!!なにがあった!?」
弟の直紀も突然時間が止まったもんだから気づいて教室に入ってくる
「あ~ぁ、なんか集まってきちゃったけど・・・・これで全部?」
「「まだ、いるぞ!!」」
なぜか、スポットライトがあたりを照らす(笑)
「なんなの!?」
私が、キョロキョロしながら叫ぶ
「なんなのぉ!?と、華南に聞かれたら」
「恥ずかしいから答えてあげないのが人のため・・・・。」
「愛するものを救うため・・・。」
「奪うものを消し去るため・・・。」
「恋とアイドルの悪魔をつらぬく・・・・。」
「ファミリーピュアーなアイドル役」
「鋼牙!!」
≪キランッ≫
歯が光る
「詩音!」
≪サラッ≫
髪をかきあげる
「学校を駆け回るライバル団の二人には!!」
「エンジェルスマイル、華南の笑顔が待ってるぜ☆」
「・・・・そんなわけねーだろ!」
≪バシッバシッ≫
竜太の弟、心汰がどこからかハリセンを取り出して二人をたたく
「ソーナノv」
京ちゃんが痛がってる二人の前でニッコリと笑顔で言う
か、可愛い・・・・じゃない!!
「・・・・・・・・・。」
あ~あ、みんな黙っちゃったよ。そりゃそうだよね(苦笑)
「・・・・やっぱやめたほうがよかったんじゃねぇーか?鋼牙・・・・。」
「言うな・・・・。」
「ねえ、君たち馬鹿?」
森君が真顔で言う・・・・。
「あ、こいつ真顔で言うんじゃねぇーよ!!!」
ひとつ縛りに髪を縛っている男の子・・・・・風神鋼牙くんが森君に向かって怒る
隣に居るのは、あきれた顔で見ていた波夜君の双子の兄 詩音くん。
「ふーん、ずいぶんボクもなめられたもんだね・・・・こんな馬鹿なやつらを相手までして
巫女の力を手に入れなきゃならないんだから」
「巫女の力?」
「あれぇ~?巫女のくせに知らないの?」
ムッっと森くんを睨みつける
「姉貴は、後ろに下がって!!」
前に立つ直紀。
「わかった・・・・。」
森くんを見ながら、うなずき直紀の後ろに隠れる
「なぁ~んか、強い霊力が近づいちゃってるね。今日のとこは引いとくよ。
まだ、時間はあるんだし・・・。」
またねvっというと森くんは教室の窓から飛び出し消えてしまった。
「待て!」
竜太が急いで森君のあとを追う。
「・・・・・華南、大丈夫か?」
登場してからあまりしゃべってない詩音が話しかける
「うん、大丈夫・・・。」
「みんな、大丈夫か!?」
教室に入ってきたのは、晟兄さんだった。
「兄貴遅い!もう侵入者、逃げちゃったぜ?」
直紀が兄さんに気づいて話しかける
「ハハッ悪い悪い・・・。それよりさっき、竜太がそいつを追いかけてるのを見かけたよ。
もう、見えなくなってしまったけどね。」
「私、竜太探してくる!」
「・・・華南ちゃん、俺も行くよ。」
心汰が、私の横に駆け寄って話す。
「みんなあとは、お願いね!」
「任せとけ!」
大声で叫ぶ鋼牙
「お前が言うな!!」
≪バジッ≫
詩音が、心汰がさっきまで持っていたハリセンで鋼牙の頭を叩く
「・・・行こう、華南ちゃん」
呆れて見ていた心汰が窓に向かって歩き出す
「そうね・・・。」
そのあとに、ついて行く私
「窓から行けるよね?」
「なめないでよね。」
≪シャッ≫
窓から飛び出し私と心汰は、竜太たちのあとを追った・・・・・・。
私たちに待っているのは・・・・・・・。
―そのころ竜太は・・・―
「しつこいよね君って・・・・。」
結界に閉じ込められている森幸人その横には、竜太が立っていた。
「・・・妖怪退治が俺の仕事なんでね・・・・っと言ってもお前は違うみたいだが?」
「へぇー、気づいてたんだ。」
わざと、驚いた顔で竜太をみる幸人
「そろそろ名前ばらしてもいいんじゃないか?悪魔さん」
「フン、言っただろ?・・・まだ、時間はたっぷりあるってさ!!」
≪カッ!≫
突然、光が走り結界を囲んでいた光が消える
その隙に、幸人が結界から飛び出す
「ちっ、やっぱダメか」
顔を防ぎながら立ち尽くす竜太。
「逃げられたか・・・・。」
ただ、黒く焦げたような結界のあとだけがそこに残っていた・・・・。
第2話につづく・・・。