S・S・S
~SHINJI・IKARI~
SORA
原作:新世紀エヴァンゲリオン
幼かったあの日(前編)
プシュー・・・・。
駅に着いた列車から数え切れないほどの人々が降りていく。
その人々の中に一人の少女がいた。
少女は肩に大きなバックを掛け、列車からゆっくりと降りる。
「ふぅ~・・・。どうしてこんなに人が多いのかな?・・・・・やっぱり都会は違うね。」
少女は落ちそうになるバックを肩にかけ直して周りの人々と同じように階段を降りていった。



タッタッタッタッ・・・・。
「おぉ~い!こっちやこっち!」
トウジは自分達の方に走ってくる少年に向かってそう叫ぶ。
「はぁはぁ・・・・。ご、ごめん。朝寝坊しちゃってさ。」
少年はトウジ達の元に来ると膝に手をつく。
「へぇ・・。シンジにしては珍しいな。」
トウジの隣にいたケンスケがそう言う。
「・・・で、今日はどうするんだ?」
「いつものようにゲーセンでもいこか?」
「またゲーセンかよ・・・。」
ケンスケが抗議の声を上げる。
「ほな他に何かあるか?」
「う~ん・・・・。もうこの時間じゃどこも込んでるだろうからな・・・。」
「なっ?ゲーセンしかないやろ?」
「いや、探せば何処か空いてると・・・・。」
「そんなんやってやれるか。なっ、素直にゲーセンでもいこや。」
ケンスケはため息を吐く。
「トウジはただあれがやりたいだけだろ?」
あれというのは今流行っている格闘ゲームだ。
「そや!この前はシンジに負けよったからな。今度は勝たせて貰うで。」
「仕方ない・・。そうしようか、なっ、シンジ?」
ケンスケはシンジの方を向く。
「あっ、その前に寄りたいところがあるんだけど・・・いいかな?ちょっと買いたい物があって・・・。」
「俺はいいぜ、どうせ時間は余ってるんだから・・。トウジもいいだろ?」
トウジは深く頷いている。
「じゃ、そこへ行こうぜ。」
そして三人は街の中へ消えていった。





「駅から出ることはできたけど・・・・・。」
少女は周りをグルッと見渡す。
「どっちに行けばいいの・・・・・。」
少女は近くにあったベンチに座り、肩からバックを下ろすとその中から一枚の紙を取り出した。
「う~ん・・・。こう住所書かれても何処へどういけばいいのか・・・・。」
紙に書かれた文字をジィ~っと睨み付ける。
「・・・・って、こんなとこしても何も解らないよね・・・。誰かに聞こうかな・・・。」
と、その時。
ビュウッ!!
「キャッ!!・・・あっ!」
突風が吹き、住所の書かれた紙が飛ばされた。





「・・・・・にしても夏休みだというのに学校行く奴らもいるんだな。」
「部活やろ・・。まぁわしらプ~には関係ないことや・・・・。」
「そうだね。」
シンジ達は周りの制服を着た人々を見てそう言った。
カサッ・・・。
「ん?」
シンジが足下を見るとそこに風に流されてきた一枚の紙切れがシンジの足に張り付いていた。
シンジはそれを手に取る。
「どうした、シンジ?」
「うん、ただ風でこれが流されてきたみたいだから・・・・。」
シンジはケンスケにその紙切れを見せる。
「へぇ~・・・。ん、何か書いてるぞ?」
「ホント?」
「すみませ~ん!!」






「たしかこっちにとんでったよね・・・。」
少女は紙が飛ばされた方へ歩いていく。
「あれがなくなったらヤバいんだけどなぁ・・・・・・・。あっ!」
少女は目の前にその飛ばされた紙を持っている少年を見つけた。
「よかった、あった・・・。でも、なんて声をかけようかな・・・。もし怖い人だったら・・・。でもあれがない
と・・・・。」
声をかけようかどうしようか悩む少女。
「・・・・・・もぅ、どうにでもなれね。・・・・・・すみませ~ん!!」
そう言うと少女はその少年の元へ向かった。





シンジ達が声のした方を向くと、こっちに向かって走ってくる一人の少女がいた。
「すみません。それ私のなんです。風に飛ばされちゃって・・・・。」
少女はシンジ達の元へ来るとそう言った。
「・・・・・・・・・。」
だがシンジは何も言わずただその少女の顔を見つめている。
「・・・・・・・あのぅ・・・。」
「シンジ!」
「えっ?あっ、ゴメン!はい。」
シンジはケンスケの声でようやく気が付き、その少女に紙切れを手渡す。
「ありがとうございました。」
少女は頭を下げる。
「あと、聞きたことがあるんですけど・・・いいですか?」
「えっ、は、はい。」
「ここへ行くにはどうすればいいですか?」
少女は再びシンジにその紙切れを渡す。
「えっと・・・・・。あっ、ここへは、あそこにあるバス停から出てるバスに乗って、○○っていうバス停
で降りたら、あとは看板とかいろいろあるからすぐに解ると思いますよ。」
そう言ってシンジは少女に紙切れを返す。
「あ、ありがとうございました。」
少女はもう一度頭を下げるとバス停に向かった。

「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・かわいかったな・・・。」
「そやな・・・・。」
ケンスケとトウジはシンジの方を向く。
「どうしたんだよ、シンジ。さっきボ~っとして・・・・。もしかしてお前あの子にホ・・・・。」
「ち、違うよ!」
顔を赤くして否定するシンジ。
「じゃあどうしたんだよ。」
「・・・・何処かで会ったことがあるような・・・懐かしい気がしたんだ・・・。」
「へぇ・・。昔どっかであったとか?」
「そうかもしれないけど・・・。そんな子はいなかったと思うけど・・・。」
シンジは思い出そうと記憶を探ってみるが、出てこない。
「まぁ、それは後!シンジ、お前買いたい物があるんだろ?」
「えっ、うん。この前買い忘れたんだけど・・・・・・・。」














「・・・ったくトウジのやつ、何回も乱入するなんて・・・。まぁ全部勝ったんだけど・・。」
夕方、シンジはトウジ、ケンスケと別れ帰宅途中。
「トウジ、あれ下手なのに何度も僕に挑んでくるんだよな・・。」
いつものようにトウジとケンスケとともにゲーセンへやってきたシンジは例の格闘ゲームをやっていたのだが、すぐにトウジに乱入
され、何度もそれの撃退に成功したのだが、トウジは懲りずに何度も乱入し続けた。
そうこうしているうちに家に辿りつくシンジ。
ガチャ。
「はぁ・・・。ただいまぁ~・・。」
シンジは無造作に靴を脱ぎ、中に入る。
「あら、早かったのね。」
台所にはユイが立っている。
「あっ、そうそうシンジ。」
「ん?」
「あなたマナちゃんのこと覚えてる?」
「マナちゃん?・・・・・・あぁ、隣に住んでいた子でしょ?うん、覚えてるよ。たしか6、7年前に引っ越したと思うけど・・・・・。」
「あなた達仲が良かったわよね~・・。いつも一緒にいて・・・。ホントの兄妹みたいだったわよ・・・。」
昔のことを思い出したらしく、何処か遠い目をしているユイ。
「それで、今ごろそのマナちゃんが出て来るんだよ?」
「マナちゃん引越しちゃったけど、マナちゃんのおばあちゃんはそのままこっちに残ったのよ。それでマナちゃん、
夏休みを利用して今日おばあちゃんのところに帰ってたのよ!」
「へぇ・・・。でもどうしてそのことを母さんが知ってるのさ?」
「さっきここに来たのよ。」
そして突然ユイが手に持った包丁をシンジに突きつける。
「シンジ!」
「わっ!」
「今からマナちゃんのところに行ってきなさい。せっかく来てくれたんだから・・・今度はシンジが行く番よ!」
「わ、解ったよ・・。だから・・・その包丁こっちに向けるの止めてくれない?」
「え?」
ユイは自分の手を見る。
「あ、あら、ごめんなさい。」
今ごろ包丁を持っていたことに気づいたらしく、さっさと包丁をまな板の上に置く。
「母さんに言われなくても行くつもりだったよ。」
これは本音で、ユイからマナのことを聞かされた時から、久しぶりにマナに会ってみたいと思っていたのだ。
「まだ御飯まで時間あるよね?それじゃあ、今から行ってくるよ。」
「がんばりなさいよ。シンジ!」
「???・・・う、うん、わかった・・・。」
何を頑張るのかは解らないが一応うなずくシンジ。
ガチャン。
「・・・・シンジ、マナちゃん見たらきっと驚くわよ・・・・・・。」






ピンポーン。
『はーい。』
ガチャン。
「あらシンジ君。久しぶり。」
中から人の良さそうな50~60代の女性が現れる。
「こんばんは、おばさん。母からマナちゃんのことを聞いてきたんですが・・・マナちゃんはいますか?」
「今丁度買い物にいってもらっているのよ。多分もうすぐで帰ってくると・・・。」
ポーン。
その時エレベーターの止まる音が聞こえた。
ガチャン・・・。
二人は反射的にエレベーターの方を向く。
「あっ、おばさん。買ってきたよ・・・・・。」
エレベーターから出てきた少女は手に買い物袋を持ち、シンジ達の元に歩いてくる。
「ありがとう。マナ、この子、覚えてるだろ?ここにいた時よく遊んでいたシンジ君だよ。」
「えっ・・シンジ君!」
マナと呼ばれた少女は微笑みながらシンジの方を向く。
「「・・・ああっ!!」」
シンジとマナは互いの顔を見て驚く。
「今日のあの人・・・・シンジ君だったの?」
「マナちゃんだったのか・・・(それで懐かしい感じがしたんだ・・・。)」
「おや?二人はもう会ってたのかい?」
「「はい。」」
ハモる二人の声。
「まぁ、ここで立ち話も何だから・・。中にはいろうか?マナ、私は御飯作っているから二人は話でもしてなさい。」
「はい。」
マナは買い物袋を渡す。

「・・・・中に入ろうか?」
「そうだね・・・。」
二人は家の中に入り、小部屋に入る。
「ここの部屋を今の間だけ借りてるの。」
「そうなんだ・・・。」
シンジはクッションの上に、マナはベットの隅に座る。
「それにしても朝あった人がシンジだったなんて・・。全然気づかなかったよ。」
「僕もだよ。・・・あっ、そういえばマナはどうしてこっちに戻ってきたの?」
マナはベットに置いてある枕を抱きかかえながら、
「私が育った街に一度来たかったの。私はどういう所で生まれて育ったかっていう・・・・。」
そういった。
「それに・・・。」
「それに?」
シンジがそう聞き返した後、マナはシンジを目を見て、微笑んだ。





「シンジ君にも会いたかったから・・・・。」









その時シンジは心臓を掴まれたような衝撃を受けた。








コメント
こんにちは、SORAです。
やっぱりこれも前後作になってしまいました(笑)
ホントは一話だけにすることができるんですよ。一応これも一話だけにすることができます。
でもそれだと投稿するのがまた遅くなりますからね(笑)
こうやった方がいいかなと思って・・・・。