最後の真実
第2章 お兄ちゃんと一緒の時
 
第3話 「ドレス」 〜咲耶編〜
12月20日 咲耶の誕生日SS
 
シルビア








--------12月18日


私、今、プロミス島行きの高速船に乗っているの。
それも、お兄様と二人っきりで♪


それに、

「咲耶ちゃんだけのお兄ちゃんじゃないのに!」

「咲耶ちゃん、酷いです。人として不出来です!」

なーんて、姉妹の声もここには届かないの、ふふふ♪



え? 何で二人っきりなのかって?



それはね……



--------12月1日-------------------------------------------------------------

通学路を妹達と一緒に歩いていた時、お兄様が私に声をかけてくれたの。

「咲耶ちゃん、このエステの特別招待券を水田さんに貰ったんだ。
 妹達にどうかと言われたんだけど、咲耶ちゃん、要らないか?」

「本当〜♪
 ……それに、この招待券、かの有名な『サロン・AKIKO』の、それも全身フルコースの無料特別招待券(株主優待券)だなんて!
 お兄様、本当に私がこれをもらってもいいの?」


『サロン・AKIKO』は水瀬秋子の経営する美容チェーンで、エステに限らずブライダル関連やドレスのレンタル等も幅広く扱っている女性の美を扱う総合サロンなの。
北の街の女性ならみんなそのセンスと腕にはみんな憧れている、有名なお店なのよ。


「俺がエステに行っても仕方がないからな。
 それに、咲耶ちゃんはいつも化粧とか美容の雑誌ばかり見てるだろ。
 せっかくの機会だし、エステも体験してみたらどうかとね」

「お兄様……ありがとう。 お兄様のために、もっと美しくなるわ♪」

「こらこら、咲耶、人目があるんだから抱きついてはいけないよ。
 そうでなくても、咲耶ちゃんは可愛いから人目につきやすいし」

「そんな……可愛いだなんて。お兄様、もっと言って♪」

「…………」

「ところで、お兄様、今月、何の記念日があるかは知ってます?」

「……えーと、クリスマスかな。それと美汐ちゃんの誕生日だっけ」

「もう一つ、大事な記念日が……」

「え?」

「お兄様〜!」

「えーと……他に、何かあったか?」

「もう、お兄様なんて知らない!」

「…………抱きついたかと思えば嫌われるし、一体、何のことやら……」

お兄様、分かってくれてないんだから。
誕生日よ、誕生日!

だから、それだけで、私はすっかりご機嫌斜めになったの。



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その日の夕方、


(お兄様、最低です。------私の誕生日を忘れるお兄様なんて、大嫌い!)

そんなうさばらしも兼ねて、私はお兄様に貰った招待券を使ってエステを体験することにしました。

「咲耶さん、今日はなにかあったのですか?
 そんなにイライラしていたら美容に良くないですよ?
 綺麗になるには、心の健康が第一なのですから」

ハンドで・マッサージを施術して貰っている時に、店長に尋ねられました。

「お兄様が……私の誕生日をすっかり忘れていたんです」

「あらあら、いけないお兄様ですね。それでは、機嫌悪くなっても仕方ないですね」

「いけないって……普段はとても優しいお兄様なんです。私も大好きで……」

「ふふ、本当は兄妹の仲がいいんですね。
 とにかく、気分転換に、アロマセラピーで落ち着いて下さい。
 そうすれば、お兄さんに祝って貰うためのいい考えも浮かびますから」

天然素材のハーブや精油を個人の体質や体調に合わせて選んで使っているらしく、
マッサージの心地よさに少しうっとり気分になっていたわ。
少しは私の気持ちも落ち着いたかも。

「当店では、咲耶さんのような若い娘には、表面的な美しさを追求するだけでなく、身体の中からきれいになることを提案してるんです。
 心の美しさは綺麗な表情やスタイルにつながりますから」

「そういえば水瀬さんって凄く綺麗ですね。何か秘訣とかがあるんです?」

「あらあら……そうですか。恥ずかしいです。
 私、こう見えても咲耶さんぐらいの娘がいるんですよ」

「え〜〜〜! とても、そのように見えませんけど」

「お世辞でも嬉しいです。
 これでも、うちの甥ッ子とかは、時々おばさん呼ばわりするので、時々きつく叱ってしまうんですけど。
 だって、おばさんと言われると、心までおばさんになってしまいますもの」

「……そんな秘訣もあるんですね」

「ええ。人から可愛いとか綺麗と言われていると、不思議と魅力的になるものです。
 声に出して言われなくても、女性としての魅力を認めて貰うだけでも効果があります。
 咲耶さんはとても綺麗ですし、聡明そうですから、殿方に大分もてるでしょう?」

「い、いえ、そんな……綺麗な花嫁姿には憧れてますけど、肝心の彼氏は……その、いないんです」

「それでも、ラブレターはたくさん貰っているのでしょ?
 綺麗な花嫁姿ですか……やはり憧れますよね。
 そうそう、咲耶さん、うちの店でモデルを募集してるんです。
 モデルになってみる気はありませんか?」

マッサージを終え、仕上がりを鏡で見させて貰っていた私に、秋子さんは言いました。

「私が……モデルをですか?」

「ええ、プロミス島にうちの店の支店をつくるのですが、そこのイメージ・ガールを探しているんです。
 プロのモデルさんではなくて、高校生ぐらいでこれから綺麗になる世代の、初々しい素人モデルをと希望してるんですが、いい娘がいなくて困っていたんです。
 花嫁姿やパーティ・ドレス姿でのモデルなんです。
 咲耶さん、やってみませんか?」

「そんな……無理ですよ、私なんかでは?」

「大丈夫です。私が保証します。
 それに、ほら、鏡をよく見てごらんなさい」

私は鏡にうつる自分の顔を見た。

(え、これが私?)

自分でもうっとりすぐらい肌がおちついて綺麗になっていたわ。
それに、自分の表情がこんなに軽やかに出せるなんて……

「ふふ、私達はプロですよ。
 私があなたにお願いした理由は、これで納得して頂けましたね。
 咲耶さん、モデルの件、引き受けて下さいますよね?」

「は……はい。是非やらせてください」

「ふふ。ありがとうございます、咲耶さん。
 ところで、もう一つお願いがあるのですが、同年代の男性であなたと並んで似合いそうな方、ご存じないでしょうか?
 実は、花嫁姿の側には婿さんも必要なので、咲耶さんと気の合う男性だとなお良いのですが」

「あ……それでしたら、思い当たる節があります……
 えーと、この写真の人なんかどうですか、私のお兄様なんですが……?」

私は自分の鞄から、携帯しているお兄様の写真を見せたの。

「あら、いい感じですね。
 優しそうな雰囲気ですし、あなたにとてもお似合いですから最適ですね。
 ぜひ、紹介してください。一度お会いしてみたいです」

「はい、喜んで」

お兄様とお似合いだなんて
 ……人に面と向かって言われると、やはり照れるわね。

「12/18〜12/20に、プロミス島で撮影したいのですが、学校の方は大丈夫ですか。
 無論、現地での滞在や旅行費用はこちらでださせて頂きますし、モデル代もお支払いさせていただきます」

「わかりました。なんとかしてみます。
 でも、12/20は私の誕生日なのです。
 でも、お兄様が一緒に来てくれるなら……やりたいです」

「ふふ、そうするとお兄様とご一緒の誕生日を過ごせますね。
 面白い話です。
 せっかくの機会ですし、私も現地でなにかお祝いさせていただきますね」

「ええ、ありがとうございます。
 撮影の件は、明日には返事します。その時に、お兄様も連れてきますね」

「はい、いい返事をお待ちしてます」

-----------------------------------------------------------------------------

その晩、私はお兄様に伺いをたてたの。

「お兄様〜!」

「そうした、咲耶ちゃん」

「お願いがあるの。
 私と一緒にバイトしてくれないかな〜♪
 実は、------------というわけ。
 それでプロミス島の撮影にもつき合ってくれると嬉しいな?」

あら?お兄様、いつもよりドキドキしているみたいな?
でも、今日は徹底的に誘惑してOKさせちゃうんだから♪

「でも、それだと学校を休まないといけないな〜……」

「はい、無論です。
 でも、拒否権はありませんよ、お兄様♪」

「……なんで俺に拒否権がないの?」

「"私の誕生日、忘・れ・て・い・た"でしょう、お兄様?
 その上、私のお願いまで断るなんて、そんな冷たいこと言わないわよね?
 だから、誕生日は私と一緒にプロミス島で過ごすの。決定〜♪」

「うっ……わ、わかった。
 咲耶ちゃんの誕生日を忘れた俺が悪かった。
 でも、俺がモデルだなんて、どうなっても知らないからな」

「大丈夫よ、お兄様。お兄様って優しいし、格好もいいから。
 エステの水瀬さんも、私とお兄様ってお似合いだってお墨をつけてくれたもの♪」

「なんだかな〜。
 じゃ、咲耶ちゃんの誕生日はプロミス島で俺と過ごすとして、妹達からは祝って貰わなくていいのか?」

「大丈夫。一応、みんなには話しておくね。
 じゃ〜、お兄様の予約はこれで終わり♪
 約束したからね! 絶対だからね〜! お兄様♪」



--------12月17日

朝、玄関先で、

「お兄ちゃん、モデル頑張ってね」

「にいさま、咲耶ちゃん、これ姫特製のお弁当。船で食べてね」

「……にいたま、ヒナ、一緒に写真とってほしい」

そして、私とお兄様は妹達に見送られて、プロミス島に出発したの。



私が『ねぇ、デートしましょう』って誘っても、いっつも『忙しい』とか『後で』とか言って逃げちゃうんだから、こんな時ぐらいはしっかりと捕まえておかないと♪


お兄様と二人きりの旅行なんて……きゃ♪
3日間も、それに私の誕生日も一緒〜……わくわくするわ♪


花嫁姿でお兄様の側にいられるなんて……夢じゃないかしら。
でも……私だって分かっている。
お兄様の本当のお嫁さんにはなれないって……でも、たとえお芝居でも一度ぐらいは。
だって、ずっと憧れていたんだから、お兄様の花嫁になるって。



「どうした、咲耶ちゃん。さっきから喜んだり悲しんだり笑ったりしているけど」

「う、ううん……なんでもないわ♪」

私がお兄様の花嫁になりたいだなんてこと……お兄様にはとてもいえない。
-------でも、水瀬さんの話だと……ふふ。


私とお兄様はプロミス島につくと、水瀬さんに教わったホテルに行った。
そして、ホテルのロビーにいた水瀬さんを見つけたの。

「お二人とも、ようこそ。
 今日は夕方から撮影の準備をしますが、それまでに一息つきましょう。
 荷物をポーターに預けて、ティー・ラウンジにでも行きましょうか。
 そこで、簡単に打ち合わせしますね」

「はい」

「はい。よろしくお願いします」



「この島は、気に入りましたか?」

「ええ、なんといっても、空気がとても気持ちいいです」

「いろんな景色があって、どれも綺麗です」

「そう、よかった。
 これが、ここでの滞在中のスケジュールです。
 撮影は、森や教会、ホテルの中庭とかで行いますから、いろんなところに行けるとおもいます。
 撮影の合間に、二人でちょっと辺りを散策してみるのもいいですよ」

「はい♪」

「それと、咲耶さん……頼まれていた話ですけど……これ、後で読んでおいてください。
 必要なものは準備させていただきましたので、安心してくださいね」

「わ〜、ありがとうございます♪
 でも、水瀬さん、これ高くなかったですか?
 とても今回のバイト代だけでは足らないとおもいますけど」

「いいんです、そこは私なりに工夫しておきましたから、ご心配なく。
 それに、撮影に使用するモデルの衣装や小物を、モデルさんが気に入って自分で買い取ることって多いんです。
 これも、撮影に使えば、半値以下でもお譲りできますから。
 それに……」

「それに?」

「あ、すいません。この事、今は"企業秘密"です」

「企業秘密ですか?」

「はい♪」








-------------------12/19 夜


「咲耶ちゃん、お疲れさま。今日はゆっくり休みなよ」

時計をみると、とうに夜の11:00を過ぎているわね。

「……はい、お兄様……」

お兄様と一緒に泊まったことはあるから、就寝着姿の私を見られるのはこれが初めてではないんだけど……やっぱり恥ずかしいわ。

こんな姿をみられるのもちょっと照れるから、私は早々に自分のベッドに入ったの。


でも、

眠れなかった……

同じ部屋で、大好きなお兄様が側で寝ている……
そばからお兄様の寝息も聞こえる……



「お兄様……まだ、起きているの?」

「……うーん、どうした、咲耶ちゃん、眠れないのか?」

「うん……ね〜、一緒に寝ていい?」

「ちょっと待て、子供じゃないだから」

私は起きあがって、ちょっと強引に、お兄様のベッドに潜り込んだの。

「ごめんね……お兄様……でも、ちょっとだけ甘えさせて。
 12:00を過ぎるまでだけでいいから。
 お兄様のすぐ横で誕生日を迎えたいの」

「咲耶ちゃん……」

「分かっている。お兄様のお嫁さんにはなれないってこと……
 だけど、今だけでもいいから、ちょっとだけ夢を見ていいよね?」

「……ああ、わかったよ。今日だけ特別だぞ? どれ、腕でも貸そうか?」

「う、うん♪」

私はお兄様の腕枕にくるみこまれて、誕生日の12:00を迎えたわ。
良い感じだわ。

(今晩は私だけのお兄様♪
 昔も、時々お兄様の腕の中に私がいたよね。……お兄様、今でも覚えてるかな?)

それは、遊び疲れて、二人して同じ布団でぐーぐー寝ていた懐かしい記憶だったの。


-------------------12/20 午前


「あら、今日も二人は仲が良いのですね」

「からかわないでください、水瀬さん」

「あら、いいじゃないですか。咲耶さん、とてもいい幸せそうな表情しているわ」

「……・」(ポッ)

「今日は2次会等のパーティーでのシーンを撮影しますからね。
 でも、咲耶さんのドレスってなんでも似合いそうだったから、実はまだ決まってないの。それに合わせて新郎の衣装も決まるので、実のところ少し困っているのです。
 それで、少し早めに撮影前の準備を始めたいのですが、大丈夫ですか?」

「構いません」

私とお兄様はのべ10着以上ものドレスを、次々と着替えては撮影したわ。
お兄様って案外背が高いから、二人の高さを合わせるために、ヒールの高い靴を履くことが多かったの。
さすがに10cm以上のハイヒールはちょっと辛かったわ。
でも、早めに慣れておかないといけないわね。


-------------------12/20 夕方


「これで撮影は全て終わりですね。
 お二人ともお疲れさま。
あと、北川さん……ちょっとお話が……」

「……どうもお手数をおかけしました」

「お気になさらないでください。
 こちらこそ、今回の撮影が上手くいったので、とても嬉しいです。
 それと、咲耶さん、頼まれた品物は帰りに持って帰って頂いて結構です」

「本当にいろいろすいません。しかも、随分と値引きしてもらって」

「ふふ、どういたしまして。私もプロですから、おやすいご用です。
 でも、北川さんって、本当にいいお兄様なのですね。
 私も北川さんの妹になりたかったです」

「照れくさいです。これでも、いつもみんなに拗ねられて参って居るんですから」

「拗ねるなんて……それはみんながお兄様の事を好きな証拠じゃないのですか。
 さあ、そろそろ時間なのでは? いってらっしゃい」

「はい」

(そろそろ時間? 何のことかしら?)

私は水瀬さんの行った言葉になんとなく違和感を覚えたの。




「さて、咲耶ちゃん、行こうか」

「お兄様、どこに行くの? まだ、撮影の衣装の着替えもしてないのに」

「いいから、いいから。俺についておいで」

その時、私はまだドレス姿のままだったわ。
でも、私はお兄さんに手を惹かれ、自分達のホテルの中庭に連れていかれたの。



そこには……



「誕生日おめでとう、咲耶ちゃん」

「咲耶ちゃん♪ 綺麗……よく似合っているわ、その衣装」

「え、可憐ちゃん、どうしてここに?……それに、みんな……」

「うぐぅ……水くさいよ、咲耶ちゃん。
 せっかくの誕生日だから、みんなでお祝いしてあげようとおもったんだよ」

「咲耶ちゃん、
 兄くんがね、自分のバイト代をはたいて、僕たち妹を全員この島に招待したの。
 それに、足らない分は水田さん自身がカンパしてくれたから」


「姫と可憐ちゃんと鞠絵ちゃんと亞里亞ちゃんはね、ちょっとしたパーティー用に特製の料理を用意したのですの」

みんなの姿も少しドレスアップした格好だったわ。

(ひょっとして……これ、私の誕生会……)

でも、私は正直のところ、はずかしかったの。
私は妹のこんな好意をよそに、お兄様を独り占めしていたのに。
でも……みんなと一緒に過ごすのも、なんか嬉しかった。


(ごめんね……みんな)


「咲耶ちゃん、ボクね、撮影したポジをちょっと借りて、これを作ったんだ。
 でも、ちょっと妬けちゃうな、これ」

「え?……あ、ありがとう、鈴凛ちゃん」


写真編集ソフトで加工された、私とお兄様の二人の結婚写真……ちょっと嬉しいかな。
でも、私って、変なところで素直じゃないのかも。

「でも、何で、"大好きなお兄様と……"って書いてあるのよ〜。
 これって"最愛の人と"の記載の間違いだわ〜。
 いいわ、後でファイルを貸してね、今度は私が編集するから」


去年の誕生日……私は独りきりで過ごした。
今は見渡すと大勢の姉妹達がいる。


「改めて誕生日おめでとう、咲耶ちゃん」

いちばん一緒に過ごしたかったお兄様もいる♪

「お兄様……ありがとう。そして、ごめんなさい」

姉妹達と過ごせるように配慮してくれたお兄様のこと、ちょっとまぶしく見えた。

「何を謝ってるんだ? 今日は咲耶の誕生日だろ?」

明らかに私の気持ちを見抜いたような意地悪そうな笑顔を浮かべるお兄様、ちょっと意地悪よ♪

「ええ、そうね。
 あ、お兄様、これ受け取ってくれる?」

「何、……ってこれ、結婚指輪じゃないか、どうしたの?」

「撮影した時の二人の結婚指輪を水瀬さんに頼んで安く譲ってもらったの。
 ……その今回の撮影の記念に。
 それで……お兄様の使ったもの、お兄さんが持っていてくれない?
 私の使ったものは私がもっているから」

「咲耶ちゃん、
 ……でも、こういう記念品も悪くないかな、大事にとっておくよ。
 あ、それと、俺も咲耶ちゃんが今着ているドレスを買い取ったんだ。
 俺から咲耶への誕生日プレゼントにね。
 そのドレス、そのまま咲耶ちゃんにあげるよ」

「え?そうだったの?……ありがとう、お兄様。
 でも……私ったら、すっかりお兄様を独り占めしてばかりみたいで
 ……みんなに悪かったなってさっき思ったわ」

「そう気にするなよ、咲耶ちゃん。
 みんなだって、今日ぐらい許してくれるだろ?
 でも、学校とかでいちゃつかれるのは、もう勘弁な。
 さすがに恥ずかしい」


(そんなに嫌がらなくても……ふーーーんだ)


「いやよ♪ お兄様は私のお兄様だから
 ……お兄様と私、運命の赤い糸で結ばれているのよ。
 ずっと二人だけで一緒にいるの!」

私、お兄様の胸に飛び込んで、顔を埋めちゃったの。

「おいおい……」

「でも、1人っきりじゃないって……嬉しかったわ。
 お兄様だけじゃなくて、たくさんの姉妹達もいてくれて、嬉しかったわ」

私はお兄様の許を離れて、背を向けて言ったの。

「だから、しばらくの間だけ、お兄様はみんなのお兄様だって我慢するわ。
 ちょっとくらい仲がよくても、変に嫉妬しないようにするから」



後書き by 作者



……ドスっ、ずたん

作者:「痛いな〜、あゆ。タックルは祐一か潤にだけしろよ」
千影:「ふーん、秋子さんの職業は『サロン・AKIKO』の経営者か。
    SILVIA兄くんらしい発想だ」
作者:「あれだけの美貌は普通の努力じゃ保てないだろうし」
千影:「そうだね。
    ふふふ……第3章で名雪をどのように登場させるかも、楽しみにしよう」


咲耶:「二人っきりの旅行とウェディング姿の撮影、それまでは良かったのに。
    何で最後に妹達を登場させたの?」
作者:「他のキャラのファンに配慮した。咲耶ばかりエコ贔屓すると問題なのでな」
咲耶:「もっと贔屓してくれると嬉しいんだけどね♪」

咲耶はSILVIAお兄様の横に座って、そっと顔を近づけて言った。

作者:「いや〜、咲耶を贔屓するといいことあるな〜♪」
咲耶:「そ・う・い・う・こ・と・よ♪ ねっ、SILVIAお兄様♪」
作者:「う……うん」
咲耶:「姉妹達の話もきちんと完結させるのよ? もちろん、分かってるわよね?」
作者:「は、はい」


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