最後の真実
シルビア
原作:Kanon/Sister Princess/Air
第1章 お兄ちゃん、会いたい!
第5話 「4番目の出会い」
--------------4月9日

俺は東の街の友人、相沢にいつものようにメールした。

「相沢、元気か?

 こっちに来てまだ1月もたたないが、俺の妹がさらに増えたよ。
 
 大和撫子風の春歌ちゃん、神秘的な千影ちゃん、謎好きな四葉ちゃんと、どの妹も個性派揃いだよ。
 俺もどう接すればいいのか、よくわかんないや」

放課後、俺が席でぼーっとしていると妹がやってきた。

「兄君さま、部活の方は何をされるのか、もう決めたのですか?」

「いや、まだだが? なにせ数が多くて決めかねてるんだよ」

「そうですか。
 では、私と一緒に茶道などいかがでしょう?
兄君さまにお茶を点てて差し上げられたらと、ワタクシ思ってますの。
茶道でなければ、弓道や長刀とか日本舞踊などでも結構ですよ?」

「茶道・弓道・長刀・日本舞踊……春歌ちゃん、いろいろやってるね。
 とりあえず、遠慮しておくよ。俺にはどれも無理そうだから」

「兄君さまと一緒に部活をしたかったのですが……残念です。
 ……でも、無理を言うわけにもいきませんね。
 ですが、今度、私が茶を点てている所に遊びに来て下さいますね?
 約束です、きっとですよ?」

「分かったよ。今度可憐ちゃん達と一緒にお邪魔するな」

「それでは、ワタクシはこれから部活に行って参ります。
 それでは、ごきげんよう、兄君さま♪」

俺が春歌ちゃんと別れた後に、咲耶ちゃんが俺のところにやってきた。

「お兄様、お兄様はもう部活を決めたの?」

「いや、これから見て回ろうかと。咲耶ちゃんは?」

「お兄様の入る部活に私も入ろうかなと思って。じゃ、一緒に見て回らない?」

「ああ、いいけど?」

俺は咲耶ちゃんと一緒に校内を見回った。
こら、咲耶ちゃん、手を組んだりしたら恥ずかしいじゃないか……まったくもう。

読書クラブ、活動場所は図書室……まあ、どの学校にもあるわな。
でも、ここの図書室って充実しているって言うし、雰囲気でも見てみるかな。

(凄いな、ここ。こんな高価な辞書まであるのか……)

---北川の前で、少女が棚の上にある本を取りたがっている姿が見えた。

どれ、代わりに本を取ってやるか。
変なもんだな、妹達に囲まれて暮らすと、女の子にやさしくしてやりたくなるのかな。

「俺が取ってやろうか?……これでいいんだよね」

「はい。ありがとうございました。…………あっ!!」

「うん、どうしたの? 俺の顔になにかついているか?」

「い、いえ、ただ……」

「ただ?」

「お姿がわたくしの兄上様にとてもよく似ていましたものですから、つい、その……。
 失礼しました」

兄上様?
なんか気になるな~、この響き……まてよ?

「兄上様か……ちなみに君の兄上の名前って何て言うんだい?」

「わたくしの兄上様の名前は、三上潤という名ですけど?」

「それ、多分、俺だよ。俺は北川潤、父親は三上純一郎で、俺は母方の北川姓だけど。……あ!君の名をまだきいてなかったね?」

「え? それでは……兄上様? ……わたくし、鞠絵と言います」

「鞠絵ちゃんだね。よろしく」


(あ~、やっぱりこの子が俺の妹だったのか……鞠絵ちゃんか)


鞠絵ちゃんは急ぎの用があるらしく、俺は鞠絵ちゃんに家にも遊びにおいでと誘い、その場を離れた。


(へ~この学校の図書室にはJJなんて雑誌まであるのか……便利な学校だな)

俺はファッション雑誌に読みふけっていた咲耶ちゃんに声をかけて、俺達二人は図書室を後にした。

「お兄様、次はどこにいくの?」

「そうだな、文化系というより体育系のものを探そうか」

「ふーん……でもお兄様、体を鍛えたらもっと魅力的になれそう。
 でも、今でも十分素敵よ、お兄様♪」

「こらこら、学校の中だぞ。誰かに見られたらどうするんだ、咲耶ちゃん?」

「学校公認というのも……「咲耶ちゃん!」……どうかしたの、お兄様?」

「ほら、見られてるじゃないか、あの幼い子に。さっきからじっとこっちを見てるぞ?」

「本当ね。迷子なのかしら?」

「かもしれないな……ね~君、迷ったのかな?」

俺は俺をじっと見ていた幼女に声をかけた。

「うん……あのね、ミジュブブというのをさがしていたの。 でも、ヒナ、まよっちゃったの」

「そうか、じゃ、"お兄さん"達が連れって行ってあげるよ。咲耶ちゃんも良いよね?」

「そうね。"お兄様"、一緒に行こう」

「……おにいたま……あとね、ヒナ、おにいたまもさがしてるの。
 ヒナのおにいたま、この学校にいるんだって、水田のおじちゃんが言ってた」

「おにいたま? ああ、お兄ちゃんのことか……それに水田って、え?」

俺は幼女の顔をじっと見た。
そういえば、絵の好きな幼女で、まだ幼稚園生ぐらいの年をした、ベレー帽の好きな子と会ったことがある。
その子も確か"おにいたま"というのが口癖のようだったな。
たしか、名前も「雛子」とかいう名前だったな……ヒナってこの子も言ってるし。
一応聞いてみるか?

「ね~、ヒナちゃん……いや雛子ちゃんかな?
 おにいたまと2年前に会ったことない?
 北川潤って人ってしっているかな?」

「わ~~、それ、おにいたまかも。
 雛ね、2年ぐらい前におにいたまと会ったの。
 おおきなメガネかけていて、名前がね、キタガワジュンっていうの」

「そうか……それって、こういうメガネだろ?
 だぶん、俺だと思うよ。俺の名は北川潤と言うんだ」

俺は懐からメガネを取り出して、幼女の前で付けた。

「あ~~~~~~~、おにいたま♪ ヒナのおにいたまだ~♪」

幼女はうれしそうに、俺にだきついてきた。
この子に抱きしめられた感じが妙に懐かしかった。
そう、2年前に会った時もこうして抱きしめてくれたんだっけ。

「お兄様、この子って私たちの妹なの?」

「間違いない。一応、あとでこの子の両親か水田にでも確認しておくよ。
 ……ところで、雛子ちゃん、随分大きくなったね。
 あと、この人ね、雛子ちゃんのおねえちゃんだよ」

「私はさくや(咲耶)っていうの。よろしくね、雛子ちゃん」

「うん。
 たくさんのおねえたまもいるんだって水田のおじちゃんに聞いたから、
 ヒナ、びっくりしちゃった。
 ヒナね、おにいたまにおねえたま~に、とても会いたかったんだよ。
 でも、ずーっとあえなかったの。
 だから、ヒナはサビシイサビシイ病にかかっちゃいました。
 だから、毎日おにいたまがいないー、と思ったら、ちょっぴり涙が出ちゃうんだよ。
 おにいたま、おねえたま、ヒナとずーっと遊んでね♪」

「ああ、これからはたくさん遊ぼうな」

「他のお姉さん達とも会いたいでしょ?
 今度、家においで。
 ……ここに家の住所を書いておくから無くさないようにするんだよ」

そう言うと、咲耶ちゃんは生徒手帳に住所を書いて、ページを切り取っては雛子ちゃんにあげた。

「うん♪」

「じゃ、美術部のところには、お兄さん達と一緒に行こうな」

それから、俺と咲耶ちゃんは雛子ちゃんを美術部の部室に連れて行った。



「ばいばい♪ おにいたま、おねえたま♪ また、あとでね~」

「俺達にはあんな幼い妹もいるのか。なんともいえない気分だな」

「でも、みんなお兄様に会いたがっているのは、同じだと思うな。
 私もお兄様に会えてとても嬉しかったし」

「そうか……」

俺たち二人は、運動部の活動しているグラウンドや体育館を見回っていた。

(なかなか活気ああるな)

明るく元気な声があたりに響き渡っている。


「お兄ちゃま~~、お兄ちゃま~~!」


うん?お兄ちゃま?
それに、この声、昨日も聞いたような。

俺は駆けてきた少女にいきなり抱きつかれた。

「ちょ、ちょっと、お兄様、何してるの
 ……え?"お兄ちゃま"って? まさか、この子……」

「お兄ちゃま、酷いよ~。花穂ね、昨日も声かけたんだよ~。それなのに~」

「俺のこと知っているのか?」

「うん。 お兄ちゃま、キタガワジュンって名前だよね?」

「ああ、俺の名前はたしかに北川潤だよ」

「やっぱり花穂のお兄ちゃまだ~♪
 花穂ね、水田のおじさんにお兄ちゃまの写真もらってたの。
 それでね、お兄ちゃまが同じ学園の高等部にいるって聞いてたの。
 でも、教室にいってもなかなか会えなかったの。
 花穂ね、すぐに、お兄ちゃまだって気がついたよ」

「咲耶ちゃん、多分間違いないよな。
 ……俺、確かにこの子に会ったことがある気がするし」

「そうみたいね」

そこの新人何してるの~、という声が少女の背後の方から聞こえた。

「いけない、花穂、チア部の練習中だったんだ。……えへっ。
 じゃ、お兄ちゃま、またね」

「ああ」

花穂ちゃんは振り返って走り去ると、数歩先で「お兄ちゃん がんばれー」とジャンプして ボンボンを振った。
つられて、俺は苦笑いを浮かべながら、手振りで、がんばるぞー、と答えていた。
俺、何か、変わったか?


それから、俺は咲耶ちゃんと一緒に、新しい妹、花穂・雛子・鞠絵の3人を校門前で待っていた。


ふと、千影ちゃんの姿が見えた。
俺にきがついたらしい、静かな笑みを浮かべて、こっちにやってきた。

「やあ、兄くん、3人の妹には会えたかい?」

「ああ、千影ちゃんの予言通りだな。すごいよ、千影ちゃん」

「兄くん……おっと、明日の事も伝えておかないと。
 明後日に、兄くんは2人の妹達とも新たに出会う運命……そう、星が語ってくれた。
 ただ、兄くんはこの二人とは今まで会ったことがない。
 兄くんが妹だと気がつくといいんだが」

「会ったこともない妹か~」

「大丈夫だよ、兄くん……きっと運命が導いてくれる」




……同じ頃、北の街




北の街から50kmほど離れた場所、そこに背にリュックを背負い、猛スピードで自転車を駆る少女がいた。
春風にショートヘアをなびかせながら、笑顔を浮かべている少女。
生まれ育った街を離れ自転車に乗って少女が行く先は北の街、北川達の待っている街だった。

(あにぃ! …………やぁっと、会えるんだなぁ~? 
 そしたら、絶対にまるまる1日、ボクに付き合ってもらおうっと。
 さて、北の街までもうひとっ走り、ボクもがんばるぞ~)



……同じ頃、北の街の近くにある空港




滑走路に1機の飛行機が着陸した。

「ご搭乗、ありがとうございました。お気を付けてよい旅をお楽しみください」

エア・フランスの笑顔のスチュワーデスに見送られる、少女と女性の二人がいた。

少女は女性に連れ添われて、トラップに降り立った。

少女は、暖かい春の日差しを肌に感じながら、愛用の日傘を手に持ちながら、そばにいる女性に尋ねた。

「じいや~~~、ここに兄やが住んでるの~?」

「ええ、そうですよ。
 お嬢様が日本に帰ったらステキな兄やがいてお嬢様にいろんなことを教えてくれ
 るって、お母様が仰ってましたでしょう?
 お会いするのが楽しみですね」

「兄やは、じいや~~みたいに、目をさんかくにして叱ったりしない~~?」

「ふふ、兄やは優しい方だと聞いてますよ。(でも、私、そんなに怖いのかしら?)」

「うん。兄やに早く会いたい」




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後書き by 作者
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千影:「SILVIA兄くん……妹達のロビー活動が流行というわけか……過酷だ」
作者:「なにげに登場回数の多い千影ちゃんががそういってもな~」
千影:「SILVIA兄くん……それも星の導いた運命さ」

……ポカッ・ポカッ

作者:「美汐、どうして俺がなぐられないといけないんだ?」
美汐:「カノン・キャラの出番、少なすぎです」
作者:「分かってるよ、だけど、12人のシスプリ少女を書くのも大変なんだぜ?」
あゆ:「次の話で全員集合になるよ、その後はちゃんと出番作ってくれる?」
作者:「無論。それに次の話は あゆも美汐も出番があるよ」
美汐:「ものみの丘で?」
作者:「そうそう」

咲耶:「SILVIAお兄様~……アタシがお兄様と手を組んで歩くなんて嬉しい♪
    またまた特別♪(チュッ)」
あゆ:「あ~、咲耶ちゃん、またSILVIAお兄ちゃんを買収してる」
作者:「……ということで、これからも咲耶は贔屓することに決定!」

白雪:「SILVIAにいさま、姫の特製ビーフシチューですの。
    たっぷり召し上がれ♪」
作者:「おっ、美味い。……そうだ、白雪もたくさん話に出たいか?」
白雪:「もちろんですの。SILVIAにいさま、お話がはやいですの」
美汐:「SILVIA兄様、また買収されてますね。はぁ~、手料理に弱いんですね」


可憐:「SILVIAお兄ちゃん♪ 可憐、洋服選んでほしいんだけど」
花穂:「あのね、SILVIAお兄ちゃま。花穂、お花持ってきたの。綺麗?」
春歌:「SILVIA兄君さま~♪お茶点てましたの、一服いかがですか?」
鈴凛:「SILVIAアニキ、パソコンの調子はどう? 秋葉原にパーツ買いに行かない?」

作者:(よしよし、俺と遊びたいんだな、たっぷり遊ぼうな)

雛子:「ヒナ、出番がないから、さびしいさびしい病になっちゃいました」
四葉:「この名探偵四葉を出してくれないなら、
    チェキしたSILVIA兄チャマの秘密、たくさんばらしちゃいますです」
鞠絵:「SILVIA兄上様、わたくし、さびしいです」

作者:(買収しているんだか、どうだか……)

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