海神航、かつて、プロミス島での12人の妹達との共同生活をすごした男性である。
今は26才、社会人となっていた。
義妹・鈴凛は、19才。


【鈴凛】

(アニキ、私達もこんな風になりたいね)

私は改良を重ねたメカ鈴凛と、ようやく完成したメカアニキを前にして感慨にふけった。









二人の時
〜Forever〜
 
第12話 「メカ鈴凛の結婚」 〜鈴凛編〜
 
シルビア












【鈴凛】

「ふぅ〜、出来た! えへへ〜、アニキ……喜んでくれるかな〜」

プロトメカ6号「メカアニキ」完成だよ〜♪
苦労したんだよ、アニキ。

一時はね、開発を諦めたこともあったんだ。
だって、どんなに立派に作ってもね、本物のアニキの魅力には勝てないからね。
でも、これはアニキのくれたアイディアがあったから出来たんだよ?


「な〜、鈴凛……俺の側にメカ鈴凛がいるなら、鈴凛の側には何が居るんだい?」
「やっぱメカアニキかな〜……でも、以前、失敗したんだよね〜」
「俺の身代わりをさせるというロボットか?
 確かに俺と同一の人格を持たすのは、やっぱ無理ないか?」
「……そうだね」
「でも、まぁ〜、メカ鈴凛のAI機能をもって学習すれば、メカ鈴凛といいペアになるかもな」
「……ペア、か……そうだ、やっぱり恋人は必要だよね!
 そのアイディア、頂き〜! さーて……アニキ、研究資金の援助、お願いしていいかな?」
「え〜? ……仕方ない、これも可愛い鈴凛のため、一肌脱ぐとするか」
「アニキ……資金援助だけでいいよ。可愛いだなんて…脱ぐだなんて……照れるよ」
「あ…いや、そういう意味じゃなくてだな……言葉のあやというか……」
「いつもお世話になってます。感謝しているよ、アニキ♪…(チュッ)」


アニキと恋人として付き合うようになって、たくさんデータ収集したんだ♪
だから、今なら、AIに恋愛感情を入れること、出来そうなの。
メカ鈴凛とメカアニキのそれぞれのAIで恋愛感情のやりとりをいれるの、そうしたら二人は晴れて恋人に
……あ、恥ずかしい〜、でも、なんか嬉しいかも。


だけど、テストして1月経って、ちょっと困ったことになったの。

「アニキ……ちょっと、開発に協力して欲しいんだけど……」
「何を?」
「実はね……メカ鈴凛とメカアニキのAIでは恋人同士になるまで発達したんだけどね……」
「それなら、うまく行っているということじゃないか?
 さすが鈴凛、たいしたものだね」
「違うの……うまく行きすぎてデータ不足になってしまったの」
「データ不足?」
「うん……まさか短期間でここまでうまくいくとは思わなかったからね。
 データ不足というのは……夫婦としてのデータ、用意してないからなの。
 だって、アニキとはまだ結婚したわけじゃないし……」
「なるほどね、それは困った問題かも。
 でも、データ取りって、夫婦のデータを取るということだよね?」
「うん……そうなの。でも、やっぱりいいや……えへへ、ごめんね、アニキ」

いくらアニキでも、夫婦のデータを取るのに協力して貰えるかな〜?
いくら彼氏彼女で付き合っているとはいえ……やっぱり……ダメだよね。
でも、それとなく、聞いてみよっと。


そうだ、アンケートをアニキにメールしてみよう。

えーと、 アニキのアドレスはwataru.aniki@sister.princess.lovelove.comだったね。
送信!
-----------------------------------------------------------------
未婚男性の結婚意識に関するアンケートにご協力ください。
アンケートにお答えいただきますと、もれなくプレゼントを差し上げます。

Q1 Yes/No 夫婦は毎朝1度以上、おはようのキスをする。
Q2 Yes/No 妻の愛妻弁当はできれば毎日作ってほしい。
Q3 Yes/No 結婚したら帰宅前にこれから帰るよコールをしたい。
Q4 Yes/No 愛している、そんな言葉を夫が妻に言うのは当たり前である。
Q5 Yes/No 妻がラブラブ言葉を発しても、恥ずかしくない。
Q6 Yes/No 夜の夫婦生活は毎日が望ましい。
Q7 Yes/No 週末は夫婦でデートするのは当たり前である。
Q8 Yes/No 妻にもお洒落であってほしい。
Q9 Yes/No 妻の趣味に付き合って、一緒に研究開発をする。
Q10 Yes/No 妻に似たフィギュアが欲しい。
-----------------------------------------------------------------

【航】

さてと、メールの確認でもするかな?

「うん? 未婚男性の結婚意識に関するアンケート?
 誰だ?
 こんなのを送付した奴は……
 rinrin.kawaiiyo@sister.princess.lovelove.com
……鈴凛か。あいつもドジだな、これじゃ、鈴凛の質問じゃないか。
どれどれ……」

はぁ〜、何て質問だよ、これ……とりあえず、答えてやるとするかな。
でも Q9とQ10はどう答えろっていうんだか……

俺はアンケートに答えて返信した。

Q1 Yes 夫婦は毎朝1度以上、おはようのキスをする。
Q2 Yes 妻の愛妻弁当はできれば毎日作ってほしい。
Q3 No 結婚したら帰宅前にこれから帰るよコールをしたい。
Q4 Yes 愛している、そんな言葉を夫が妻に言うのは当たり前である。
Q5 No 妻がラブラブ言葉を発しても、恥ずかしくない。
Q6 Yes 夜の夫婦生活は毎日が望ましい。
Q7 Yes 週末は夫婦でデートするのは当たり前である。
Q8 Yes 妻にもお洒落であってほしい。
Q9 Yes 妻の趣味に付き合って、一緒に研究開発をする。
Q10 No 妻に似たフィギュアが欲しい。

まあ、プレゼントはどうでもいいが、鈴凛なりに何か考えのあってのことだろうしな。
さて、返信ボタンをクリックしてと……


【鈴凛】

「わー♪ アニキからの返事が来たよ〜。どれどれ……」

えー、毎日おはようのキスするんだ……
弁当も毎日作るんだ……
アニキが妻に愛しているっていうなんて……ポッ……言ってほしいな〜♪
アニキと毎週末にはデート……ポッ
お洒落……できるかな〜、自信ないな〜……でも、頑張ろうっと。
えー、アニキ、一緒に研究開発してくれるの……嬉しいよ〜♪
妻に似たフィギュア……ダメなんだ……メカ鈴凛、可愛そう(くすん)

とにかく、これでAIのデータを入れてと……よし、出来た♪

……数ヶ月後、

メカ鈴凛 「おはようございます、あなた。チュッ♪」
メカアニキ「おはよう、鈴凛。今日も綺麗だね♪」
メカ鈴凛 「あら、あなたったら〜、もう♪ 恥ずかしいですわ」
メカアニキ「綺麗な妻に綺麗と言って何が悪い?」
メカ鈴凛 「週末にデートしてくれるだけでも嬉しいのに……これ以上、恥ずかしいこと、私の口から言わせないでください、あなた」
メカアニキ「その謙虚さがいいんだよな。結婚して良かったよ」
メカ鈴凛 「あなた…………(ポッ)」

恥ずかしい……めちゃ、恥ずかしいよ〜、これ!
ラブラブ……アニキと結婚したら、私ってこんな風になっちゃうのかな……ふぇ〜ん。


「やあ、鈴凛。研究の調子はどう?」
「あ、アニキ! ……いや、その、えーと、うん、まあまあだよ」
「ほう、まあまあなんだ。さすが、鈴凛だね。ちょっと見せてくれよ」
「い、いや、アニキ、止めておいた方が……」
「まあ、そういうなって」

数分後、アニキはメカ鈴凛とメカアニキのやりとりを聞いて、顔色が変わった。

「だから……言ったのに……恥ずかしいよ、アニキ」
「……いや、とても面白かったよ。鈴凛もメカ鈴凛のようになりたいの?」
「う、うん……でも、嬉しいような、恥ずかしいような……」
「じゃ、結婚してみる?」
「えっ?」
「いや、実はそろそろ鈴凛にプロポーズしようと思っていてね。
 だって、ほら、つき合い初めてもう2年にはなるし。
 ……今日もな、準備はしてきていたんだよ。……ほら」

アニキは婚約指輪の入った箱を私に見せた。

「鈴凛、俺と一緒になってくれるかい?」
「う、うん……でも、本当にいいの?」
「ああ、鈴凛じゃなければ、ダメだよ。俺は鈴凛と結婚したいんだからね」
「あ、アニキ……ありがとう。私、ずっと、アニキの側にいたい」

突然のアニキのプロポーズに驚いたけど、でも、指にはめられた婚約指輪を眺めると、なんか実感が湧いてきた。

でも、私、これから先言えるのかな……”研究資金の援助よろしく”って。
だって、これからは、家計が1つになっちゃうんだもんね。




〜エピローグ〜



「鈴凛、最近何をそんなに一生懸命開発しているんだい?」
「う、うん……あのね、【懐妊確率100%君】……なの」
「懐妊確率100%って子供をつくるってこと? 鈴凛、欲しいのか?」
「……うん」

アニキ、しばらく考え込んでしまった。

「……なあ、鈴凛。子供を作るのに必要なことって何か、分かっているかい?
 どんなメカでもこればかりは……」
「…………そ、そうだよね」
「それじゃ、研究に勤しむのもいいが……それよりも……」

アニキはそう言うと私を胸の前で抱き上げて、寝室に連れて行ったの。

「あ、あなた……えーと、あの……心の準備がまだ……」
「夜の夫婦生活は毎日が望ましい……俺はYesと言ったんだけど? な、鈴凛?
 それに、研究ばかりじゃ、子供はできないよね?」
「うん……そ、そうだよね…………いいよ。……あなた、愛してる♪」
「俺もだよ。愛しているよ、鈴凛……」

FIN.


後書き


メカ鈴凛に恋愛表現対応のAIがついたら、それはそれで面白いかも。


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