「助けて!!シンジ君!!連れて行かれちゃうよーーーっ!!」

マナが黒服の男達に捕まる。

「父さん!!あの子を助けてよ!!・・・・このままじゃ殺されちゃうよ!!」

「・・・・・・シンジ、学校はどうした?」

シンジの叫びにもゲンドウは聞く耳をもたない。

「シンジ君!!」

黒服の男達に無理矢理車に押し込められるマナ。

後ろ手に手錠をかけられ、抵抗することはできない。

「父さん!!」

「・・・・・学校はもういい、赤木博士のところへいき、実験の続きをしろ」

 

「シンジーーーーーーーー!!」

ギュルルルルルルーーーーーーー!!

マナを乗せた車ははるかかなたへと走り去って行った。

 

 

「酷すぎるよ・・・・」

この時・・・シンジの中の何かがキレた・・・。

 

 

 

 


怒りに身を任せて・・・

<前編>


 

その日の夜・ミサトの家

シンジは夕食を食べ、ミサトはビールを飲んでいる。

無言で・・・。

 

ピンポーン!

インターホンが鳴る。

プシュウ

玄関が開いて誰かが入ってくる。

「勝手にあがらせてもらうよ」

加持だ。

「葛城、君がついていながらどういうことだ!?中学生を見殺しにして!!」

加持が怒りながら大声で言う。

「仕方ないじゃない!!碇司令の判断なんだから!!」

ミサトも怒鳴り返す。

「中学生ぐらい助けてやれって言ってるんだ!!これだから女ってやつは!!」

ガチャン

加持が机の上にあるビール缶を叩き落す。

 

「加持君・・・ここは私の家よ。勝手にあがらないでくれない、人を呼ぶわよ!!」

「く・・・・・・・」

加持は仕方なく帰っていった。

 

 

**********

 

 

次の日

シンジは学校へ行かず、ネルフ本部へと来ていた。

発令所へと向かう途中に加持と出会った。

「シンジ君・・・・・そう気を落とすな。そうだ、帰りにスイカでも見に来いよ。場所は知っているよな。じゃあな」

「待ってください!!」

歩いていく加持をシンジは呼び止める。

「ん?なんだいシンジ君」

「これから・・・・父さんのところに行こうと思ってるんです・・・。知りたいことが・・・たくさんあるから・・・」

シンジの顔は真剣そのものだった。

「碇司令のところへか・・・。俺は何も言うことはない、自分で考え、行動するんだ。でも、あまり無理するんじゃないぞ」

「はい・・・ありがとうございます」

礼を言うとシンジは歩き出した。

「(・・・・・・真実が・・・・・・知りたい・・・・・・・)」

 

 

発令所

発令所の上部にある司令席にはゲンドウと冬月がいた。

そこへシンジは近づいていく・・・。

「ん?シンジ君じゃないか」

ゲンドウより先に冬月がシンジに気づく。

「・・・・・・・・・・・・・」

無言・・・シンジは口を開かない。

だがその表情と瞳には何かを決意したようなものがあった。

「碇、シンジ君は君に話があるみたいだ」

「なんだ・・・?シンジ」

座っていた椅子が回り、ゲンドウがシンジの方を向く。

「・・・・・・父さん・・・・・何でなの・・・・?」

シンジが口を開いた。

そしてシンジの両手はブルブルと震えていた。

「何がだ?シンジ」

「なんで・・・・なんでマナを助けてくれなかったんだよ!!

発令所全体に響くほどの声でシンジは怒鳴る。

「マナが何をしたんだよ!?悪いことなんかなにもしていない・・・・なのにどうしてだよ!!どうしてマナを助けてくれなかったんだよ!!マナを物みたいにやつらに引き渡して・・・父さんには人一人の命なんてどうでもいいの!?」

「シンジ、何もしなかったとはいってもやつはスパイだ。いつ重要事項を盗み出されるかわかるものではない。あまり大人の世界には口を出さないことだな。用が済んだのなら学校へ行け、でなければ実験の続きをしろ」

ゲンドウは冷徹に答える。

「ふざけるなよ!!大人の世界に口を出すな!?僕をここに呼んだのは父さんだろ!!だから僕にだってその権利はある!!僕はエヴァのパイロットだ!!」

完全にキレてしまったシンジ。

「子供の出る幕ではない。無駄に出てくれば命はないと思うことだな」

「っ!?」

シンジはその言葉が気にさわったのかゲンドウに殴りかかって行った。

・・・・・・・・・・が

ガバッ!!

シンジの後方から黒服の男がシンジの体を掴む。

「放せよ!!父さん、僕が怖いの!?対等に話し合えないの!?答えろよ!!マナをやつらに渡したことを僕が納得するように言ってみろよ!!くそ・・・邪魔だ・・・放せよ!!」

「連れて行け」

「「はっ!!」」

ゲンドウの指示をうけ、黒服の男が暴れるシンジを連れて行く。

「放せよ!!放せ!!僕の納得するように説明してみろよ!!放せよ!!」

 

発令所にいた全員がその光景を見つめていた・・・。

 

 

 

ガシャン!!

シンジは独房に閉じ込められた。

「ちくしょう・・・・ちくしょう・・・・」

シンジはただうなだれていた・・・。

「僕はどうすればいいんだ・・・・・・教えてよ・・・・マナ・・・・」

闇に包まれた独房の中、シンジはただ呆然としていた・・・。

 

そして頭の中にある記憶をゆっくりと探り出した・・・。

 

「霧島・・・マナです。よろしくお願いします」

「碇君・・・・ね?」

「かわいい♪」

「本日、わたくし霧島マナは、シンジ君のために朝6時に起きてこの制服を着てまいりましたあ♪どう?似合うかしら?」

「私・・・自分が生き残った人間なのに・・・何もできないのが悔しい・・・」

「こうすれば・・・通れるんじゃない?」

「知らない人の家に行くの・・・・怖いなぁ・・・」

「私・・・シンジ君のこと・・・「愛」してます!!」

「ねえ・・・マナ・・・って呼んで」

「好きよ・・・シンジ」

 

彼女が何をした?

何故・・・捕まらないといけない?

あの無邪気な笑顔、動作

なにひとつ悪いことはしていないはず・・・

僕の心の中はその言葉に支配されていた

 

「エヴァのこと・・・教えてほしいの」

 

その言葉を思い出した途端に心が痛みを感じた

 

「私は・・・私はあの人達の仲間です!!」

 

あの言葉は僕に「絶望」という単語を教えた

好きだった人に裏切られた気持ち・・・

 

「助けて!!シンジ君!!連れて行かれちゃうよーーーっ!!」

 

そして彼女は連れ去られた

 

「シンジ・・・・さよなら」

 

その言葉を残して彼女はもうこの世にいないのかもしれない・・・

そう思うと心がどうしようもなく痛い

それだけは・・・・信じたくない・・・

でも・・・・ありえることかもしれない・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

不意に独房の扉が開く。

「シンジ君・・・派手に暴れたみたいじゃないか」

加持だ。

「加持さん・・・いいんですか?僕を出して・・・?まだ1時間も経っていないのに・・・」

「シンジ君、何を言っているんだい?」

「え?」

加持の言葉にシンジが動きを止める。

「君はここに閉じ込められてから4日も経っているんだぞ?・・・・まあこの闇の中じゃ時間なんかまともにわかるものじゃないけどな。司令の許可も出た。君はここから出ればいいんだ」

「4日・・・・ですか・・・」

「さあシンジ君。遅れた約束を果たしてもらうよ」

「約束・・・?」

「スイカだよ。ス・イ・カ。見にくるんだろ?」

「・・・・はい」

 

**********

 

加持のスイカ畑の前

加持がスイカに水をやっている。

「加持さん・・・・僕はどうしたらいいんでしょうか・・・?」

「シンジ君は・・・・どうしたいんだい?」

「どうしたいって・・・・マナのこと・・・・もう・・・・殺されてしまったんだ・・・って思うこともあるんです・・・・」

「シンジ君はそれで諦めがつくのかい?」

「そんなことないです!!」

「なら・・・どうしたいんだい?」

「だから・・・・どうにもできないから!!」

シンジは興奮ぎみになっている。

「シンジ君、君はただの中学生ではない。エヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジだ。自分に自身を持て。いざとなれば初号機を動かせる」

「エヴァを・・・?」

「霧島マナ・・・・彼女は生きているよ。今、どんな状況におかれているかは別としてな」

「!!・・・ありがとうございます!!」

 

**********

 

次の日

シンジは学校にきて授業を受けていた。

・・・・・すると

ザワザワ・・・ザワザワ・・・

教室内がさわがしくなる。

みんな窓の外を見て何か言っている。

シンジも窓の外を見た・・・・

次の瞬間、シンジは走り出していた。

学校のそばを通りかかった後部に檻がついたトラックのその檻の中にマナがいたのだ。

「おい、待てやシンジ」

「シンジ、どこ行くんだよ」

トウジとケンスケがシンジの後を追った。

 

「マナ!!」

「えらいこっちゃ!!」

「人権問題だよ!!」

三人は口々に言いながらゆっくりと走るトラックに追いついた。

そしてトラックの後部に乗る。

運転手はそれに気づいたのかトラックを止める。

「マナ!!なんで檻なんかに・・・」

「シンジ・・・気をつけて」

『おい!そこの少年達!!トラックから離れろ!!』

「くそっ・・・・これさえ開けれれば・・・マナを連れ出せるんだ!!」

鉄格子をガチャガチャと動かすが鍵がかかっているために開けることはできない。

『おい!!そこの少年!!聞こえないのか!?トラックから離れろ!!』

警告を無視してシンジはまだ鉄格子をガチャガチャいわせている。

「おいシンジ!!やめんか!!」

「シンジ、工具がないと無理だよ!!」

『いい加減にしろ!!』

運転手が怒って出てきた。

「このっ!!このっ!!開けよ!!開けっ!!・・・・・あ・・・ぐあっ!?」

運転手は鉄格子にしがみついているシンジの頬を殴る。

そのまま道路に倒れるシンジ。

「シンジ!!」

マナが叫ぶ。

「おい、シンジ。しっかりせえや」

「大丈夫か?シンジ」

トウジとケンスケもシンジに駆け寄る。

「マ・・ナ・・・・・」

シンジはそうつぶやいていた・・・。

 

運転手はトラックに乗りこむと、またゆっくりとトラックを走らせ始めた。

 

「シンジ、トラックを追うのにいい方法があるんだ」

ケンスケが服の内ポケットから双眼鏡を取り出した。

 

 

 

続く

 


あとがき

ここへの初投稿です

なんでしょうかこれは?(←おい!!)

とりあえず「鋼鉄のガールフレンド」でシンジがちょっと違うのかな

ただ・・・・・結末は・・・・・・(謎)


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