1人になるのは辛いことだと思うけど・・・2人でいても辛いと思うことがあると初めて知った。

僕はもう慣れてる・・・今まで1人で生きてきたつもりだから。

でも、マナは・・・・・・違った。

慣れてもなかったし、今までそういうことを体験したことなかったんだと思う。

いや、普通に考えれば僕がおかしいだけ・・・・か。

どこからともいわず湧き出てくるこの怒りは何だ・・・?

ただ、ただ立っているだけなのに・・・・何故?

「元」家があった場所に立っているだけなのに・・・。

 

かける言葉がない・・・何を言えばいいかわからない。

ただ・・・・見ていることしかできないのか・・・・?

わかってるんだ・・・・マナも・・・・。

何故ここがただの「場所」になってしまったかが・・・・。

だから・・・・・泣いてるんだ・・・・。

 

 

 


ヒネクレタ少年?

第2章 〜敵の集団の中に放り込まれた状態?〜


第13話「雨」

 

ポツポツ・・・・ポツ・・・・ザアアアアァァァァーーーーー

太陽が山に消え、辺りが暗闇に包まれてきた頃・・・不意に雨が降りだした。

雨具など持っているはずのないシンジとマナ、2人は少しずつ濡れていく・・・。

だが・・・動こうとはしない。

「・・・・・マナ・・・・風邪ひくよ・・・・?」

とてつもなく重い空気、呼吸をするのすら辛くなる・・・シンジのその一言だけでも、相当の覚悟がいった。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

声が小さかったので聞こえなかったのか、聞いても反応しないのか・・・マナの状態は変わらない。

ザアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ

雨はますます強さを増し、2人はもはやずぶ濡れになっている。

辺りに人の気配はなく、異常なほど静まりかえっている。

「(涙・・・・枯れないんだろうか・・・・・)」

関係のない思いが、シンジの頭をよぎる。

 

ゼロ

 

何もない

 

「・・・・・マナ」

「!?」

シンジは強くマナの体を抱き寄せた。

「・・・・・・とにかく・・・・どこかで雨宿りしないと、大変なことになる」

「・・・・・・・・・シンジ・・・・・」

「・・・・2人・・・・なんだ。・・・・もう・・・・誰もいないんだよ・・・・ここには」

全然寂しくもないのに、悲しくもないのに・・・シンジの目からは涙が流れ出る。

温かくなかった、雨でびしょ濡れになった服を着ており、シンジからマナへ、マナからシンジへ・・・どちらにも温もりは伝わらない。

「・・・・お父さんも・・・・お母さんも・・・・・」

とどまるところを知らずに流れ出る涙・・・枯れることも知らず・・・。

濡れた顔、泣き顔・・・今は判別することなどできやしない。

「・・・わかってる・・・・わかってるから・・・・・・・マナ」

シンジのマナを抱く腕の力が増す。

「シンジは・・・・・悲しくないの・・・・?」

ズキッ!!

不意にマナの言葉が、シンジの胸に突き刺さる。

悲しくないとは言えるが、こうして人に問われると・・・・・答えられない。

「(僕は・・・・僕は・・・・悲しくない・・・・・のか?それとも・・・・)」

マナから離れ、無意識に足を動かすシンジ、「売り地」と書かれた立て札を通り過ぎ、何もない「元」家があった場所へと・・・。

バシャン!

広場になってしまったその場所の、中心ぐらいにシンジはつくと、地面が水溜りになっているにも関わらず、背中から倒れた。

「悲しくなんかないさ。僕は・・・・ずっと1人だったんだ」

妙に説得力がない・・・強がっているように見える。

「・・・・シンジ?」

マナも広場になっている売り地に、足を踏み入れた。

「1人だったんだよ・・・1人でいたかったんじゃない、1人じゃないといけなかったんだ」

「・・・・・・・・・」

「誰も・・・僕を受け入れてくれなかった。一緒に住んでいた人にだって・・・邪魔者扱いされて・・・・。結局は勉強部屋を建て、追い出された」

「・・・・・・・・・」

「寂しくなんてなかった。邪魔者扱いされた時は・・・むしょうに腹が立ったり、悲しくなったりしたけど・・・・。だって、ずっと1人だと・・・・寂しさがよくわからなくなるんだ、感じなくなってしまうんだ、他の感情と混じってわからなくなっちゃうんだ」

「・・・・・・・・・」

シンジは地面に倒れたまま、話し続ける。

マナはシンジのすぐ隣につくと、足を止めた。

「マナは・・・・違った。僕はずっと1人だったけど、いつも僕のところにきて・・・2人にしてくれた。嬉しかった・・・・そうだと思う。素直に言えない・・・みんなが言うみたいに・・・・僕は「ヒネクレてる」から・・・」

「・・・・シンジ・・・・」

「好きになった・・・・そうだと思う。マナがいる時だけ・・・僕は2人だった、1人じゃなかった。普通のみんななら・・・拒絶するのに・・・マナだけは僕に普通に接してくれた。だから・・・意識しないうちに・・・・「好き」になったんだと思う」

「・・・・・・・」

「僕が何をしても・・・どんな失敗をしても・・・マナは笑ってた。笑顔で元気づけてくれた・・・・。普通の女の子のマナなのに・・・・僕よりずっと先に進んでるように見えた・・・ずっと上の方にいると思った」

「・・・・・・・・・」

「・・・・いつしか思うようになっていたのかもしれない・・・・「マナは僕のことを好きだったらいいな」・・・・って。いくら思っても・・・僕は優しく接することなんてできなかったけど・・・・」

「・・・・・・・・・」

「ヒネクレタ自分を恨んだかもしれない・・・・。でも、それが自分だから・・・仕方がない。変われなかった、いや、変わろうとしなかった・・・・何故かわからないけど・・・・怖かった」

「・・・・・・・・・」

「ねえ・・・・・マナ

 

 

僕が変わったら・・・どうなるのかな?自分が自分でない自分になったらどうなるのかな・・・・?」

 

 

 

続く

 


あとがき

勘弁して(爆)

書いてるこっちがこのままでは汚染されてしまう(爆)

 

次回、第14話「自分を壊して・・・」

 

※この小説・・・20話ぐらいで終わる気がします(核爆)


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