!?

 

マナの手から銃を弾いたのは・・・・シンジの手だった。

ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・

心電図が再び動き出した・・・一時的にシンジは蘇生したのだ。

「・・・・ふ・ざけるな・・・よ・・・・ここで・・・マナが死んだら・・・・何の為・・・に僕は戦ったことに・・・なると思ってるんだ・・・?マナ・・・・」

マナの気持ちが?それとも覚悟が?それともシンジはマナが死ぬことを止めたかったのか?何故シンジが蘇生したかはわからない。

シンジは目を開き、明らかに掠れた声で言う。

右目は少ししか開かれてなく、血でよくわからないくらいになっていた。

「シンジ・・・・?シンジィ!!」

バッ

マナは泣きながらシンジに抱きついた。

「うぐっ!!」

抱きつかれたと同時にシンジの体に激痛が走った。

「やばい・・・んだ・・・・マナ・・・離れてくれ・・・・そうしないと・・・本当に・・・死んじまう・・・」

「いやっ!!もう離れたくない!!シンジと一緒にいたいよ!!」

「マナ・・・お願いだから・・・・離れて・・・・・」

マナが泣く時に体が震える振動が抱きつかれているシンジに伝わり、それが激痛に変化する。

ピッ!

ミサトが携帯を切った、どこかに連絡していたらしい。

「うぐっ!!・・・マ・・ナ・・・・離れろ・・・・」

「いや・・・ぐす・・・・ぐす・・・・いやだ・・・・」

 

 

 


ヒネクレタ少年?

第1章 〜嫌な少年?残酷な機関?〜


第5話「不可能を可能に・・・現実に」

 

バシン!!

突如ミサトがシンジに抱きついてるマナを無理矢理引き剥がし、マナの頬を全力で張った。

「っ!?・・・な、何するんですか!?」

「あんたねぇ・・・いい加減にしなさいよね!!あなたシンジ君を殺すつもりなの!?さっき医師を呼んだわ。すぐに来てくれるはずよ」

「シンジを殺すって・・・そんなつもりありません!!私はシンジと一緒にいたいんです!」

「その「一緒にいたい」っていうのがシンジ君の命を削るのよ!!わからないの!?見てみなさい!!あなたが無理矢理抱きついて離れないから傷口が広がったのよ!?わかってるの!?」

シンジの腹部の傷が広がっていた、それに頭部からもさっきより出血している。

「!?ぐす・・・うぅ・・・・うわああぁぁーーーん!!」

マナはミサトに抱きつき、泣いた。

「ね?霧島さん・・・今シンジ君を助けたいなら・・・・「頑張れ」って応援することしか私達にはできないわ・・・。そうでしょ?」

ミサトは優しく言った。

「ぐすっ・・・ぐすっ・・・・は・・はい・・・・」

ブシュウ!

扉が開き、医師がやってきた。

医師は素早くシンジを担架に乗せると、部屋から出て行こうとする。

「ちょっと待ちなさい!!」

ミサトの一声で医師が動きを止めた。

「何でしょうか葛城一尉」

「あんた達、シンジ君を絶対助けなさいよ!!死んだら・・・ネルフのみんなが許しても私は絶対に許さない。もちろん霧島さんだって許さないんだからね!!」

「・・・・できる限りやってみます」

「さらに言っとくけどねぇ、誰の命令だか知らないけど今みたいにシンジ君を「手術中」とかいう報告だけで放置してみなさいよ・・・・命令出したやつもあんた達も殺してやる!」

「・・・・・・・ふっ」

医師達は「にやり」と少し笑うと、部屋から出て行った。

 

 

発令所

「第3新東京市郊外に弐号機の輸送機が到着しました」

「現在も非常自体宣言を発令中」

 

「碇・・・本当に大丈夫なのか?」

シナリオと違うことばかり起きて不安な冬月。

「問題ない。弐号機は郊外にあるエヴァ回収用ルート72で本部内に収容、即時整備を開始しろ」

「「「「了解」」」」

 

「弐号機、第5ケージに収容完了。整備を開始します」

「セカンドチルドレン到着しました」

 

 

 

7時間後・・・

 

 

 

もうすっかり夜になってしまった。

シンジの手術も無事成功し、助かったらしい。

現在シンジは病室で眠っている。

そしてこれからが裏のシナリオだったのだ・・・・。

 

発令所

ブーッ!!ブーッ!!

発令所内に警報が鳴り響く。

「どうしたんだ!?」

いきなりの出来事に冬月は焦りを隠せない。

「正体不明の移動物体が第3新東京市に接近中!!」

「分析中・・・・出ました!!分析パターン青!間違いなく使徒です!!」

「なんだと!?まだ使徒襲来から半日もたっていないのだぞ!?碇!!どういうことだ!?」

「問題ない。すべてシナリオ通りだ」

「!?(碇・・・私にも教えられないシナリオとはなんだ・・・?)」

第四使徒シャムシェル襲来・・・・いくらなんでも早過ぎる。

「ただちに弐号機を出撃させ、使徒を殲滅しろ」

「「「「「了解」」」」」

 

「エヴァ弐号機、発進準備完了!」

「了解。発進!!」

ズキュウウゥゥーーーン!!

弐号機が射出された。

「碇、整備不足の弐号機だけで大丈夫なのか?」

「問題ない。初号機も出撃させる」

「初号機をか!?シンジ君は命こそ助かったものの、眠ったままだぞ!?」

「叩き起こせ!!生きていれば大丈夫だ」

「何だと!?そんなことをしたら今度こそシンジ君は死ぬぞ!!」

「ふっ・・・・問題ない。すべてはこれで上手く進む」

 

 

 

第2ケイジ

腹部と頭部の応急修理を完了した初号機が待機している。

ガラガラガラガラ!!

シンジは移動式のベッドに乗せられ、運ばれてきた。

マナもそれについてきていた。

シンジは意識こそ取り戻したもののまともに動ける状況ではない。

おそらく少し体を起こすこともできないだろう。

「サードチルドレン、使徒だ、初号機に乗れ」

黒服の男(マナを連れ出した男とは別人)が言う。

「ちょっと待ってよ!!シンジはこんなになってるのに何で戦わないといけないの!?」

マナが怒りながら言う。

「碇司令の命令だ」

「命令って・・・そんなことしたらシンジが死んじゃうかもしれないのよ!!」

「部外者が口を出すな」

「部外者?ふざけないで!!あなた達が勝手に連れてきたんでしょ!!」

「マナ・・・いいんだ・・・・僕は・・・・初号機・・・に乗る」

「シンジ・・・・・」

「そうだ。サードチルドレン、初号機に乗るんだ。現在は弐号機が使徒と交戦中だ」

「僕が・・・死ぬこと・・・なんて父さん・・・・はどうでもいいんだ・・・マナ、わかって・・・くれるよね・・・?」

「嫌!!わからない!!わからないよ!!私はシンジにそんなことさせない!!せっかく助かった命を簡単には捨てさせない!!シンジが乗るくらいなら私が乗る!」

「・・・・その言葉を待っていた」

「え?」

黒服の男の言葉にマナは呆然とする。

「碇司令からの命令だ。初号機にはサードチルドレンではなく君を乗せろとな」

「やめる・・・んだ・・・マナ・・・。エヴァは・・・危険・・・なんだ・・・・死ぬかも・・・しれないんだよ・・・・」

「・・・・・・・・!!」

マナは決意したように顔を上げる。

「いいの、私が今ここで生きているのもシンジのおかげ。この命はもうシンジの物なのよ。シンジが死ぬ思いをして私を助けてくれたんだから・・・・私だってシンジを助けないといけないもん!!」

「マナ・・・・」

 

 

 

発令所

「サードチルドレンが初号機に搭乗し・・・!?いえ、乗っているのはサードチルドレンではありません!!」

「気にせず作業を続けろ。初号機にはつい先ほどフォースチルドレンに任命された者が搭乗しているだけだ」

「碇司令、どういうことですか!?」

「その質問に答える必要はない。黙って指示通りに行動すればいいんだ」

「り、了解・・・・。エントリープラグ挿入!」

 

『(シンジに助けてもらったんだから・・・・シンジを私が助けないといけない・・・)』

 

「エヴァ初号機起動しました!!し、シンクロ率・・・・え゛!?107%!?」

オペレーターはそう言うと沈黙した。

「碇、何故あの子はコアの変換なしに初号機とシンクロできるんだ?」

「さあな。今回は私がカケに勝った・・・・冬月、そういうことだ」

「・・・・・・・・(何を考えている・・・・碇)」

 

「アンビリカルブリッジ移動開始!」

「射出台との固定完了」

「進路確保中。MAGIの判断でルート35が最も有効と出ています」

「了解。ルート35の進路のゲートオープン」

「進路クリア。オールグリーン。発進準備完了!!」

 

「・・・・・・・・(霧島さんを初号機に乗せるなんて・・・・碇司令は何を考えているの・・?わからない・・・それに何故シンジ君以上のシンクロ率を・・・?こんなこと不可能だわ・・・でも・・・霧島さんはそれを可能に、現実にしている・・・)」

「不可能」を「可能」にしたマナにミサトは呆然としていた。

「弐号機の損傷度が10%を超えました!!」

「っ!?」

この言葉にミサトは現実に戻された。

「し、初号機の発進準備は!?」

「既に完了しています」

「り、了解。碇司令、構いませんね・・・?」

 

「もちろんだ。使徒を倒さねば消えるのは人類そのものだ」

ゲンドウの言葉に迷いはなかった。

 

「了解。初号機・・・発進!!」

ズキュウウゥゥーーーーーーン!!

初号機が射出された。

「(霧島さん・・・頑張って・・・・それに・・・・死なないで!!)」

 

 

 

第3新東京市内

弐号機が使徒と交戦している。

第四使徒シャムシェル・・・鞭による攻撃が厄介だ。

ズドン!!ズドン!!ズドン!!

弐号機は使徒の鞭を危なげながらも避けているのだが、反撃することができない。

「しっつこいわねーー!!」

パイロットはもちろんアスカ。

ズドドドドドドドドド!!

ATフィールドを中和し、パレットライフルで攻撃するのだが、命中しても効いているようには見えない。

『アスカ、初号機が出るわ!!』

「ミサト!!こんな使徒ぐらい私一人でいけるわよ!!」

『無茶言わないで!!どうやってあの鞭を交わして攻撃するつもりなの!!』

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ガシャン!!

初号機が姿を現した。

「ちょっと!!何で初号機が出てくるのよ!!」

 

初号機エントリープラグ内

「あれが・・・・使徒?」

自分から「乗る」と言ったもののやはりマナは初めての戦いに恐怖を感じていた。

『霧島さん。ここまできてしまったらもう逃げられないわ・・・・。頑張ってね』

「はい・・・・葛城・・・さん」

『いくわよ、初号機、リフトオフ!!』

ガコン

射出台との拘束具が外れ、初号機の体が自由になった。

『霧島さん。さっき説明した通り、エヴァは基本的に考えることで動くわ。わかっているわね?』

「はい・・・・赤木さん」

『ダメージのフィードバックには特に注意して。ダメージが大量にフィードバックされた時に意識を失ってしまったらそこでお終いよ』

「・・・・・・はい」

シンジ・・・私、負けないからね・・・

 

 

 

続く

 


あとがき

進むの早っ!!っていうかもうシャムシェル襲来、しかも弐号機到着!

と、いうかマナの初戦がシャムシェルだと勝てないような・・・・

 

次回予告・第6話「力を合わせて・・・捨て身の攻撃」

シャムシェルは初号機に攻撃を集中する

アンビリカルケーブルが切断され、残り5分のカウントダウンがスタートした

うまく力を合わせることのできないマナとアスカ

内部電源が残り2分を切った時、マナが恐るべき作戦を提案した

それは・・・自らを死の境界線に立たせる危険な作戦だった・・・


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