『シンジ君、待ちなさい!!シンジ君!!』

「だああああ!!(考えれば動く・・・考えれば動く!!)」

ミサトの指示を無視し、シンジは初号機を使徒に向け、走らせる。

 

 

「シンジ!!」

暗く、狭い部屋の中にいるマナもその映像を特別に準備されているモニターで見ていた。

「・・・黙れ」

カチャ

「っ!?」

叫ぶマナに黒服の男は銃を突き付け、黙らせる。

ネルフにとってマナはシンジを動かす為の「道具」にすぎないだろう。

だからシンジさえ動いてくれればマナは用済み、いつでも消せるのである。

隠蔽工作はネルフの十八番、マナが死んだことなど簡単にもみ消せる。

マナは「シンジがエヴァのパイロットである、そして生きている」という条件のもとで生かされている。

すなわちシンジがエヴァのパイロットを辞めること、又はシンジが死ぬということになればマナは消されるのである。

すべてが終わるまでマナが助かることはないのか・・・?

 


ヒネクレタ少年?

第1章 〜嫌な少年?残酷な機関?


第3話「暴走?勝利の代償」

 

「だあああああ!!」

突進する初号機・・・が

バキイィーーーーーン!!

「くっ!!」

使徒の目の前で「光の壁」に阻まれてしまう。

『『ATフィールド!?』』

ミサト、リツコが同時に叫ぶ。

「うああーーーーーーっ!!」

バキン!バキィン!!バキン!!バキン!!

シンジは叫び、初号機は何度も何度もATフィールドを殴る・・・しかしそれは全く効果はない。

『使徒がATフィールドを展開している限り物理的攻撃は無力よ!!シンジ君、使徒から離れて!!』

「うああああーーーーっ!!」

バキン!!バキン!!バキン!!バキン!!バキン!!

シンジはミサトの指示を無視する・・・いや、聞ける状態でないのだろう。

「うおおあああーーーーっ!!」

こいつを倒せば・・・やっつければマナは助かるんだ・・・・

くそっ・・・この「壁」は邪魔だ!!消えろ!!

ヒイイイィィィ・・・

『し、初号機もATフィールドを展開!!位相空間を中和していきます!!』

「うあああーーーーーっ!!」

バキン!!バシュ・・・バキン!!バシュ・・・バキン!!バシュ・・・

初号機がATフィールドを殴るごとにATフィールドを少し・・また少しと破っている。

『中和じゃないわ・・・ほとんど初号機が無理矢理こじ開けているわ』

リツコが呆然としながら言う。

「うわああああーーーーーーっ!!」

バキン!!バシュ・・・バキン!!バシュ・・・・・・・・・バキイィィーーーン!!

シンジの声の大きさが最大になった時・・・ついに初号機が使徒のATフィールドをぶち破った。

邪魔な壁は消えた・・・「お前」は消えろ!!

「うあああーーーーーーっ!!」

ドカ!ドカ!ドカ!

初号機は使徒の胴体を殴る・・・使徒は動かないように見えたのだが実は違った。

キラッ!!

「うあああーーーーーっ!!・・・・!?」

ズドオォーーーーーン!!

使徒の目から放たれた光線をまともに受け、初号機は後方に吹き飛んだ。

ズガン!!

そして後方にあった建物に激突し、止まる。

 

「シンジ!!」

カチャ

「っ!?・・・・・」

黒服の男は叫ぶマナに再び銃を突き付け、黙らせる。

 

『シンジ君!!大丈夫なの!?シンジ君!!返事をして、シンジ君!!』

「あぁ・・・ぐ・・・・・大丈夫・・・です・・・・ミサトさん」

シンジは全身に痛みを感じる。

「なん・・ですかこれ・・・・なんだか全身が痛い・・・・・」

『フィードバックシステムよ。シンジ君と初号機はシンクロしている・・・つまり初号機が受けたダメージはパイロットにも伝わるのよ』

「酷いです・・ね・・・・赤木さん・・・・・僕・・・そんなこと聞いてませんよ・・・・」

『説明する時間がなかったのよ』

冷たくリツコは答える。

「はははは・・・・・それは面白いですね・・・・マナの件もありますけど後でどうなっても僕は責任とりませんよ・・・」

『っ!?っ!?ど、どういうことなのシンジ君!!』

シンジの言葉にリツコは驚き、シンジに返答を求める。

「さあ・・・自分で考えてください・・・・・」

グググググググッ・・・

初号機がゆっくりと立ちあがる。

使徒は速く動くことはできないのかゆっくりと初号機の方に歩いてきている。

「武器!!武器ありませんか!!」

『ぶ、武器って言われても・・・・とりあえず左肩のウェポンラックにプログ・ナイフが搭載されているわ』

「感謝しますよ赤木さん。これで少しは安全が保証されたかもしれませんね」

『っ!?っ!?シンジ君!!どういうことなの!?教えて!!』

「嫌・・・です」

ガコン

初号機は左肩のウェポンラックからプログ・ナイフをあ取り出し、両手で持った。

ズン・・・・ズン・・・・

使徒はゆっくりと接近してくる。

今だ!!

「うああああーーーーーーっ!!」

『シンジ君待ちなさい!!返り討ちにされるわよ!!』

「それで倒せるなら構いません!!」

『シンジ君・・・・・・』

シンジの考えにミサトは唖然とする。

ズドッ!!ガキイイィィィーーーーーーーッ!!

使徒の弱点・・・「コア」に初号機は偶然にもプログ・ナイフを突き刺した・・・が、まだ使徒は倒せない。

「うああああーーーーーーっ!!」

キイイィィィィーーーーーーッ!!

プログ・ナイフが火花を散らす。

初号機はゆっくりと・・・わからないぐらいゆっくりとプログ・ナイフをコアにめりこませていく。

が・・・それを使徒が許すわけがなかった。

ガツッ!!

「あぐっ!!」

使徒は右手で初号機の頭部を持ち、そのまま持ち上げる。

『シンジ君!!!』

キン!

使徒の初号機の頭部を持っている部分が光った・・・

ズガン!ズガン!ズガン!ズガン!

手から光の槍を発生させ、初号機の頭部に何度もぶつける。

『初号機頭部に亀裂発生!!装甲が持ちません!!』

『なんですって!!』

「あぐっ!!うああ!!あぐっ!!」

もちろんそのダメージはパイロットであるシンジにも伝わっていた。

バキン!!

使徒の光の槍は初号機の頭部を貫通、初号機をそのまま吹き飛ばし、後方にあるビルに叩きつけた。

シュル・・・

使徒は光の槍を初号機の頭部から抜いた・・・すると

ブシュウウウゥゥーーーーーーッ!!

人のモノといわんばかりの真っ赤な血が初号機の頭部から噴き出した。

『損害不明!!エントリープラグ内をモニターできません!!パイロットの生死不明!』

『シンジ君!!・・・・くっ、パイロットの保護を最優先!!エントリープラグ緊急射出急いで!!』

『駄目です!!初号機完全に制御不能です!!』

はたしてシンジは・・・・?

 

「いやああああ!!シンジ!!シンジーーっ!!」

マナは椅子に縛られているにもかかわらず、必死にもがき、叫ぶ。

『パイロットの生死不明!!』

『初号機完全に制御不能です!!』

この二つの言葉がマナに突き刺さった。

「シンジ・・・・死なないで!!死んじゃいやあああぁぁぁぁ!!私を一人にしないで!シンジーーー!!」

「黙れ!」

カチャ

黒服の男はマナに銃を突き付ける・・・が今度のマナの反応は違った。

「嫌よ!!撃つなら撃って!!シンジが死んだら私だって生きていられないんでしょ!!シンジが死んだらあなた達に私は必要ないんでしょ!!」

「くっ・・・・・」

マナに気持ちで負け、黒服の男は銃を上着の内ポケットにしまった。

 

 

「うわあああああああああああああああああっ!!」

シンジは頭部・・・右目とその周辺、その後方の後頭部に激痛がし、叫んだ。

意識が吹き飛ばされるくらいの痛みがシンジを襲う。

右目を押えている手の指の間からは赤い液体・・・・血が流れ出ている。

くそ・・・やられる・・・・

『シンジ君待ちなさい!!返り討ちにされるわよ!!』

「それで倒せるなら構いません!!」

「!?」

ついさっきミサトに言った言葉が頭をよぎる。

「へへへ・・・・ははは・・・・」

何逃げてるんだ・・・僕は・・・・マナが助かればそれでいいんじゃなかったのか?

ついさっき言ったことまで忘れてる・・・・

ふふ・・・・はははは!!

この命・・・・くれてやる!!

 

キイィン!!

初号機の目に光が戻った。

そしてゆっくりと立ちあがる。

 

「シンジ!!」

マナは涙声で叫んだ。

 

『しょ、初号機再起動!!』

『なんですって!?』

『し・・・シンクロ率が急激に上昇!!163%で安定!!』

『163%!?』

初号機の再起動に発令所はパニックになっていた。

「へへへへ・・・・・この命・・・お前にくれてやる!!」

ドン!ドン!ドン!ドン!

初号機が使徒に向かって突進する。

ズドッ!!ズドッ!!

使徒は待っていたといわんばかりに両手から光の槍を発生させ、初号機の腹部に突き刺した。

「ぐっ!!うおおおおあああああああああーーーーーーっ!!」

シンジの腹部から血が流れ出る・・・

そしてシンジは口から血を吐き出した・・・が使徒の攻撃も自分の体のことも無視し、初号機を動かす。

 

「シンジ・・・無茶しないで・・・・もうだめ・・・・もうやめてえーーー!!そんなことしたらシンジが死んじゃうよぉーーー!!」

 

ガツッ!!

マナの思いを無視し、シンジは初号機を動かす。

初号機は使徒のコアに刺さったままだったプログ・ナイフに手をかけた。

「うわああああああああああああああああ!!」

ズバッ!!

プログ・ナイフを無理矢理下へ動かし、使徒のコアを真っ二つに切断した。

ズドオオォォーーーーーン!!

コアを破壊された使徒は爆発し、木っ端微塵に消え去った。

『し・・使徒消滅・・・』

『初号機は?』

『初号機を映像で確認・・・・!?』

ズン・・・

初号機は力なく前に倒れた・・・。

『シンジ君!!』

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」

もうダメだな・・・目がかすむ・・・

「シンジ!!シンジーーー!!」

「はぁ・・・はぁ・・・・」

ここまで無茶できるなんてな・・・

人の体もまだまだ捨てたもんじゃないな・・・

でも・・・これは無茶のしすぎだな・・・

死ぬな・・・間違いなく・・・

「シンジ・・・死んじゃいやだ!!

死なないで・・・

私・・・・

一人じゃ生きられない・・・

シンジのいない世界じゃ・・・

生きられないよ!!」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

やべえ・・・痛みを感じなくなってきた・・・

ちくしょう・・・

最後にマナに一言いっときたかったんだけど・・・

「シンジ・・・・ぐす・・・

ぐす・・・・

お願いだから・・・

死なないで・・・」

「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・」

意識が薄れてきた・・・

もうお終いだな・・・

《《最後に・・・思いを伝えたい・・・》》

《《こんな辺境な場所だけど・・・》》

《マナに・・・》

《シンジに・・・》

《《届いて欲しい・・・》》

 

 

 

《《好きです・・・本当に好きでした》》

 

 

好きです・・・本当に好きでした

「マナ・・・・」

好きです・・・本当に好きでした

「シンジ・・・」

「マ・・・ナ・・・・」

さ・・よ・・う・・な・・・ら・・・・

マ・・・ナ・・・・

さ・・よ・・う・・な・・・ら・・・・

「シンジ!!

嘘でしょ・・・

ねえ・・・

そうなんでしょ!?

嘘って言って!!

お願いだから・・・

・・・・・・・・・・・・・

シンジィーーーーッ!!」

 

 

 

 

 

サ・・ヨ・・ウ・・ナ・・・ラ・・・・・・・マ・・ナ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 


あとがき

や、ややややややばすぎ!!

サキエル戦のくせにどっかのドラマの最終回で主人公が死ぬシーン(←おい!!)じゃないか!!!

ノリも最終回のノリだし・・・

「この命・・・・くれてやる!!」

↑これなんか絶対最終決戦のセリフだろ!!

初戦でそれはマズいぞ!!絶対!!

 

次回・第4話「奇跡の生存者・・・?」


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