2人の補完

 


「おっはよ〜、マナ!」

赤い髪の少女、惣流・アスカ・ラングレーが、少女チックな部屋に入ってきた。
元気よく声を掛けながら布団に包まっている少女を揺さぶるアスカ。

「う〜・・・あと五分・・・」

布団に包っている少女、霧島マナの眠たそうな声が聞こえた。
アスカはその声を聞き、ニヤリと笑うと、マナの耳元に口を近づけ、囁いた。

「キス、するわよ」

その小さな囁きが終わる瞬間、マナはベッドから飛び起きた。
マナのその反応に、アスカは軽く舌打ちをする。

「チッ!」
「『チッ』って何よ!?」

これがいつも二人の間で繰り返されている光景だ。


学校へと急ぐ二人。
マナが毎朝遅くまで寝ているため、二人とも走って学校へ行く事にはなれている。

「今日も転校生がくるんだってね」
「まあね、ここも来年には遷都されて新しい首都になるんですもの」

走りながらアスカが応じる。

「どんどん人は増えていくわよ」
「そうだね・・・どんな子かな?カッコいい子だったらいいな♪」

マナの言葉にむっとするアスカ。
マナはそんな事には気づかず、いつもと同じペースで走っている。


角に差し掛かったとき、飛び出してきた少年と、マナが思い切りぶつかった。

「つつつつ・・・・・・」
「あたた・・・・・・」
「あ、ゴメン。大丈夫?」

素早く起き上がった少年がマナに手を差し出して来た。
頭をさすっていたマナは、その少年の顔をじっと注視している。
起き上がったマナに、少年は再び謝った。

「ゴメンね、本当に急いでたんだ」

そのまま走り去る少年の姿を呆けたような顔で見つめているマナ。
アスカが再び不機嫌な顔になるのもお構い無しだ。


中学校にチャイムが鳴り渡った。
二年A組では、いつも元気なミサトの声が響いている。

「よろこべ女子ーー!!今日は噂の転校生を紹介するーっ」

ミサトの声で、マナとぶつかった少年が入ってきた。

「碇シンジです。よろしく」

シンジはそう言うとニッコリと微笑んだ。
その直後、マナが立ち上がって大声を出した。
その声の方向を見たシンジも大声を上げる。

「あー!!」
「アアッ!!」
「あなた、今朝の・・・・可愛い子!!」
「・・・・・・・・・」

マナの言葉に想わず赤面、沈黙してしまうシンジ。

「マナ、そんな奴、気にすることないじゃない」

シンジの反応が気に食わないアスカが、マナに言う。
本人は小声で言ったつもりだが、地声が大きいのでシンジの耳にも聞こえた。

「出会った当日に『そんな奴』呼ばわりされるいわれはないよ!」
「なんですって!?」

睨み合う二人に、マナが割って入る。

「ちょっと、止めてよ二人とも」

ミサトはニヤニヤと眺めているだけで、止めに入ろうとしない。
他の生徒も同様だ。

「マナは黙ってて!」

アスカの一括でスゴスゴと席に座ってしまうマナ。

「それとも、君、女の子のくせにその娘が好きだとか?」
「うっさいわね!!そんなわけないでしょ!!!」

アスカが赤面して怒鳴ると、シンジはマナに微笑みかけた。
笑みを向けられたマナも赤面してしまう。

「君、名前は?」
「マナ、霧島マナ」
「マナ・・・いい名前だね」

アスカが横で何か怒鳴っているが、らぶらぶフィールドを展開している二人には聞こえない。

「碇君、シンジって呼んでもいい?」
「うん、いいよ」
「やったぁ♪私もマナでいいよ」
「うん、マナ・・・」
「シンジ・・・」




「そうだ、これも一つの可能性、僕の中の可能性なんだ」
「シンジ、私を選んでくれてありがと♪」
「マナ、愛してるよ」
「私も・・・」

2人の周りでシンジの見知った人々が何かを言っているが、全く聞いていない。
その瞬間、碇シンジと霧島マナの補完が始まった。


コメント
・・・・・・・・完全なラブコメ、なんでしょうか・・・?
いろいろと悩んだ末に出た結果がこれです。
そのわりには目茶苦茶ですけどね。
それと、シンジの性格が大幅に変えられている所は気にしないで下さい。


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