神々への戦い
第八話 凍る月影
がお
「こ・これは・・・・・・・」
「どういうことだ?」
聖域に降り立った男がまた一人。異変に気づく。
「この聖域全体を覆っている異様な小宇宙<小宇宙>・・・いや、むしろ死気のようなものはいったい・・・」
「まるで墓場にでも迷い込んだかのような感覚が纏わりついている・・・・」



ズズズズ・・・・

男がなにかの気配を感じると周りの土が盛り上がった。
「な・・なんだ・・・」
土の中からは死臭を放つ死体が出てくる。
「死体が動いているだと・・・馬鹿な・・・」
無数の動く死体が男を囲むと一斉に襲い掛かる!
「ウォ!」

タッ!

男は襲い掛かる死体の頭上を遥か高く飛び越し難を逃れる。
「なめるなよ。貴様等のような亡霊にむざむざやられる筋はない。」
「何が原因で現世へ彷徨い出たのかは知らんが死にきれぬと言うのならこの俺が再び冥土に送ってくれる。」

コオオオォォォォォォ

男の周りの気温が急激に低下し始める。
「舞え白鳥よ!ダイヤモンドダスト-!!」

ゴアアァァァァァァァァ

男の拳から強烈な凍気が発せられる。

ピキィィィィンンン!

凍気の直撃を受けた死体たちは瞬きする間に完全に凍り付いてしまった。
「フッ。貴様等亡霊が何匹かかってこようがこの白鳥星座<キグナス>の氷河に指一本触れることすらできん。」
そう。この男は氷河。白鳥星座<キグナス>の聖闘士<セイント>。氷河なのだ。
「しかし何故聖域にこのような亡霊が・・・この異様な小宇宙<コスモ>と関係あることは間違いないだろうが・・・」
「おそらく星矢や紫龍それに瞬もこの小宇宙<コスモ>を感じているはず・・・・そのうちに駆けつけるだろう。」
「今は沙織さんのいる教皇の間に急ぐのみ。」
氷河は教皇の間に向かって走り出した。





聖域には美しい花園があるという・・・・
周りを見渡す限りの一面の花園・・・・
その場所には2本の沙羅双樹の木が立っている・・・・
乙女座<バルゴ>の黄金聖闘士<ゴ-ルドセイント>が守護する処女宮の脇にその花園は存在する・・・
しかしその場所はいまは死闘の場となっていた。
草花は踏みにじられ、大地は裂け、虫達は姿を消した・・・・
黄金聖闘士<ゴ-ルドセイント>乙女座<バルゴ>のシャカと水瓶座<アクエリアス>のカミュの闘いである。



「ハアアアァァァァ!!」

シュバァ!

「フッ。甘い!」
「天魔降伏!!」
「ダイヤモンドダスト-!!」

ガカァ!!!

「ウア!」
「グッ!」
両者ともに必殺拳を繰り出すが威力は互角。中間で弾けた衝撃に弾き飛ばされてしまった。

ズザァァ!!

「ウヌヌ・・・・」
「クオォォォォォォ・・・」
両者ともに立ち上がるが、形勢は互角。黄金聖闘士<ゴ-ルドセイント>同士の実力が拮抗した者の闘いは千日戦争<ワン・サウザンドウォ-ズ>になると言われるがまさしくその状況だった。
「カミュ・・・・何故アテナに拳を向ける?」
シャカが唐突に口を開く。
「お前達はかつてはアテナの聖闘士<セイント>だった。しかもその最高位に位置する黄金聖闘士<ゴ-ルドセイント>だったではないか。」
「・・・・・・・・・・・・」
「アテナの聖闘士<セイント>は常に地上の平和と秩序を守るために闘わなければならない。お前とてそれはわかっているだろう。」
「・・・・・・・・・答える気は無い。」
「カミュ・・・・」
「シャカよ。しばらく見ぬうちに随分とお喋りになったものだな。その不愉快な口を今封じてくれる!」
「ダイヤモンドダスト-!!」

ゴオオォォォォォォ!!

限りなく絶対零度に近い凍気がカミュの拳より放たれる。

タッ。

しかしシャカは難なくダイヤモンドダストを避ける。
「どうした?カミュよ。拳に迷いが見えるぞ。その様な拳では私は倒せん!」
「グ・・・減らず口を!!ウオオオォォォ!!」
カミュが幾つもの拳を放つが全てシャカに当たる事は無い。
「カミュ・・・お前の小宇宙<コスモ>が泣いているのだ・・・・」
「それではセブンセンシズどころか聖闘士<セイント>としての最低限の力さえも無くなる。それでは黄金聖闘士<ゴ-ルドセイント>失格だな。」
「だ・だまれええぇぇぇ!!」
「ウオオオオアアアァァァァァァァ!!!!!」
カミュが狂ったが如く叫びだし無闇に拳を放つ。
「あの冷静なカミュがここまで狂うとは・・・・やはり奴か・・・・」

タッ

大きく跳んで距離を開けたシャカが口を開く。
「・・・・・カミュよ。わかった。もはやお前はアテナの聖闘士<セイント>ではない。ハ-デスの忠実なる犬だ。この私が引導を渡してやろう。」
シャカは強くカミュの目を見る。じっと・・・強く・・・
カミュが何かを悟ったように動きを止める。
「・・・よかろう・・・ならば私も最大の奥義を見舞ってやる。」
狂っていた時とはまったく違う。強く穏やかな小宇宙<コスモ>がカミュを包む。
互いの小宇宙<コスモ>が限界まで高められ、カミュの周りにあるものは凍結し、シャカの周りにあるものはその姿を消滅していく。
「邪悪なるものよ!滅せよ!」
「天魔降伏!!」
「神韻なる聖水よ!満ち溢れる凍気を我に!」
「オーロラエクスキュ-ション!!」

カッ!!

「ヌウウゥゥゥゥ・・・」
「オオオォォォォ・・・・・」
互いに究極まで小宇宙<コスモ>を高め放った必殺拳は互角の威力を保ち、中央の空間でくすぶっている。
シャカがカミュの目をじっと見る。
「・・・・フッ。私も命を捨てねばならぬか。」
微笑を浮かべ呟きのような小さな声でシャカが言う。
そしてシャカは呟きが終わると拳を引いた。



「な・・・シャカ!?」
中間でくすぶっていた威力はすべてシャカに向かい始めた。
「カミュよ・・・私もアテナのために死ぬとしよう。」
「シャカ―――――!!!」

ドオオォォォォォン!!

微笑を浮かべたシャカに全ての威力がぶつかる。
その後、彼の姿はどこにもなかった・・・・
「シャカよ・・・お前は分かってくれたのか・・・・私達が行おうとしていることを・・・・」
カミュの頬に一筋の涙が光る。





処女宮の脇にある沙羅双樹の園・・・
凍ったかのように蒼く輝く月の夜・・・
そこにあった美しい花園は姿を変えた・・・
草花は踏みにじられ、大地は裂け、虫たちは姿を消した・・・
そこにいるのは同志の死を悲しむ一人の黄金聖闘士<ゴ-ルドセイント>と・・・
見るものを死に誘うような美しい蝶が一羽のみ・・・





あとがきでありそうで実はあとがきなもの♪

こにゃにゃちは~~。
愚かなSS作成者のがおでっす♪
あ~~そろそろ青銅聖闘士<ブロンズセイント>の奴ら出さんとな~~って感じで氷河が登場。
カミュとのバトルも書きたいところですな~~♪
次回は一体ど~なることやら?
新技開発せねば・・・・難題は多い・・・
でわ。また次回であいましょ~~~
スィ~ユ~♪
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