神々への戦い
第一話 聖戦の始まり
がお
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暗く、静かな闇が見える。
何も起きない、何も見えない、何も感じない闇が・・・
死者はこれからも永劫にこの闇を見続けるのだろう・・・
・・・しかし、それは許されなかった。
なにも聞こえず、何も見えないはずの闇に音と光が舞い込んできたのである。
軋むような音が・・・幾何年も見ていない光が・・・
そして、その光の中には女の顔があった。
黒髪の長い美しい女の顔が・・・名をパンドラと言った。

!!

女の顔と名前が一致した時に激しい血の騒ぎを感じる・・・
死に至って骨と皮のみになっていた肉体が激しい脈動とともに筋肉がついてきたのだ!!
そして、血は全身を駆け巡り、脳の神経組織にも注がれた。
その瞬間!!おぼろげだった記憶がはっきりと蘇る。
「シオン・・・そうだ、私はシオン・・・『牡羊座<アリエス>』の『黄金聖闘士<ゴールドセイント>』であり教皇であった者・・・」
シオンは自らが入っていたであろう棺からユラリと立ち上がった。
「ふむ。記憶が戻ったか。」
「肉体も絶頂期の状態になったようだな。」
パンドラがつぶやく。
「ならば、貴様に命ずる!!」

今すぐ聖域へ向かい、アテナの首を取ってくるのだ!!



!!

「ア・アテナの首を・・・」
シオンは困惑していた。
パンドラ・・・奴は243年前の聖戦において我がアテナ軍の『聖闘士<セイント>』と対立したハ-デス軍の『冥闘士<スペクター>』との対立関係を知らないのか・・・?
死しても我らはアテナに忠誠を誓った『聖闘士<セイント>』。アテナの命を狙うなどという愚考をするはずがない。
「一体、どういうことだ?」
シオンは声を抑えつつ聞いた・・・
「ふっ。アテナの首を取ってこいといっておるのだ。」
「さすれば、永遠の命をやろう。」



「・・・そういうことか・・・」
シオンはすべてを悟った。
「永遠の命をくれてやる代わりにハ-デスの犬に成り下がれということか・・・・・」
「そういうことだ。しかし、悪くはない条件だろう?」
「死してなおアテナに忠誠を誓う必要はないはずだ。それに、冥界はハ-デス様によって支配されているのだ。」
「そのハ-デス様が貴様等を配下として迎えようというのだぞ。」
「光栄と思え。」
「さあ!貴様に拒否権はない!!共をつけてやるから早くアテナの首を取ってくるのだ!!」

!!

パンドラが腕を振り上げると、周りの地面から棺が飛び出した!!
先ほどシオンが入っていたのと同じ棺だ。
そして、棺の蓋が除かれた・・・
「あ・ああ・・・お前達は・・・」
棺の中から出てきたのは、亡くなった『黄金聖闘士<ゴールドセイント>』たちであった。

『山羊座<カプリコーン>』のシュラ!!

『双子座<ジェミニ>』のサガ!!

『魚座<ピスケス>』のアフロディ-テ!!

『水瓶座<アクエリアス>』のカミュ!!

『蟹座<キャンサー>』のデスマスク!!

そして・・・『射手座<サジタリアス>』のアイオロス!!

「さあ、シオンよ。これだけの『黄金聖闘士<ゴールドセイント>』が集まればアテナ首を取ることなど造作もあるまい。」
「ハ-デス様に永遠の忠誠を誓え。そしてアテナの首を取ってくるのだ。」
「断れば今すぐにもとの醜い肉の塊に戻すまでよ。」
・・・ハ-デスとの聖戦はすでに始まっているのか・・・このままでは、アテナが・・・
くっ!!
シオンは舌をかんだ。口の中に鉄の味が広がる・・・

「分かった・・・ハ-デス・・・いや、ハ-デス様のために、アテナの首を取ってこよう!!」

なっ!!

一同の『黄金聖闘士<ゴールドセイント>』が同時にシオンを見つめた。
「っく!!」
触れるものすべてを切り裂く手刀「エクスカリバ-」でパンドラの首を狙っていたシュラをサガが抑える。
{やめろ。シュラ。今切りかかってもどうする事もできん。}
{ならばサガよ。お前はアテナを殺すというのか?}
{そうは言ってはいない。教皇シオンもアテナを殺すなどということは考えていないはずだ。}
{何か考えがあるのだ。真の教皇だったあのお方のみが知っていることが。}
そう、シオンにとっても奴等は憎むべき敵なのだ。たとえ、五体を八つ裂きにし臓物を抉ったとしても気がすまない相手なのだ。
「さて、これからすぐに貴様等に聖域まで行ってもらうわけだが、時間は12時間だ!!」
「それまでにアテナの死体をここに運んでこなければ、貴様等は再び死の眠りについてもらう。」
「そして、貴様等に授けるものがある。受け取れ。」

『冥衣<サープリス>』だ!

「こっこれが『冥衣<サープリス>』・・・」
「な・なんと『黄金聖衣<ゴールドクロス>』の形をしている・・・」
「これは『蟹座<キャンサー>』。」
「むう・・・これは『水瓶座<アクエリアス>』だ」
「ふっ貴様等が使いやすいものを選んでやったのだ。感謝するがいい。」
「これだけの準備があっての失敗は許さんぞ。」
「さあ!!アテナの首を取ってくるのだ――!!」
こうして、冥衣をまとった『黄金聖闘士<ゴールドセイント>』と聖域でアテナを守護する『聖闘士<セイント>』達との戦いは始まった。
教皇シオンは一体なにを考えているのか?
そして、アテナの命は!?
聖戦は・・・始まった。





後書きっぽいもの

みゅ~~がおで~~す。
SSなるものは初めてだったんですけど、原作がとっても好きなので簡単でした。
ポイントはやっぱりアイオロスの復活でしょう。
さて彼がどのように物語りに加わるのか?
作者も知らなかったりする・・・
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