・・・私に勇気を与えて下さい。あの人に向かい合い、話せ、告白できる勇気を・・・
あの人が転校してきて私は変わった。あの人ばかりを目で追っている・・・だって・・・あの人・・・
「詩織?詩織!し~お~り~!!」
「はい?!え?あれ?何?ジュンちゃん?」
「何?じゃないって・・・聞こえなかったの詩織?ずっと呼んでたんだよ?」
「ごめん・・・ぼーっとしてた・・・」
「あの人を見て?」
「ジュンちゃん/////////!!」
そう・・・ジュンちゃんの言う通り私はあの人を目で追っている・・・
だって・・・気になるんだもん・・・
「そんなに気になるなら声かけちゃえば?」
「できないよそんな事/////////!!」
「なんで?話してみなきゃ始まる物も始まらないよ!」
「そんな事・・・言ったって・・・」
恥ずかしいよ・・・
「じゃあ私が話しかけてあげるよ!」
「えぇぇぇ!!!ちょ・ちょっとジュンちゃん!!」
ジュンちゃんはあの人の所へ歩いて行った。ジュンちゃんはいいなぁ・・・誰にでも明るく話しかけられる・・・それに比べて私は・・・
え?あれ?なんで?なんであの人がこっちに来るの!!ジュンちゃんだ!!ジュンちゃんが笑顔でこっちを見てる。ジュンちゃん!!
「?どうしたの?」
「え・・・いえ・・・あの・・・えっと・・・/////////」
緊張して何を言っているのか分からないよ・・・
「どうしたの?顔赤いよ?大丈夫?」
「え・・・うん・・・大丈夫・・・/////////」
赤いのはあなたのせいだって・・・あぁどうしようこれから・・・私は恥ずかしくて下を向いたままこの人の顔を見れなかった。でも、このまま黙ってるのも変に思われるし・・・
「彼女、あなたが話しがあるって言ってたけど・・・何?」
「えっと・・・」
勇気をください・・・この人と話せる勇気を・・・笑顔で向かい合える勇気を・・・そして、この思いを伝えられる勇気を・・・
私は勇気を出してこの人と改めて向かい合った。
「あの・・・ね・・・覚えて・・・ない?昔・・・私達・・・」
「もちろん覚えてるよ!詩織ちゃん!」
この人は今まで見た事ない笑顔を私に向けた。・・・私はそれでまた顔が熱くなって下を向いてしまった・・・でも・・・覚えててくれた・・・
「あり・・・がとう・・・覚えててくれて・・・栄美・・・ちゃん」
「ううん。こちらこそ覚えててくれてありがとう・・・久しぶりだね詩織ちゃん。そして・・・これからよろしくね!」
私達は笑顔で握手をした。
ありがとう・・・私に勇気をくれて・・・いつもあなたを思っていた・・・今まであなたは私にとっての勇気のもと・・・そしてこれからは・・・大切なお友達だね・・・