開祖の力が流れてくる
もう一人の私の力
今なら出来るような気がする
そう思い目を閉じる司
『やっと戻ってきたね♪待ちくたびれちゃった♪』
その言葉と同時に司の思考は現実に戻ってくる。
「さてと、最後の試練をしましょうか?」
その言葉にちょっとむくれて太陰が話を続ける。
『それじゃあ最後の試練・・・それは、ここをでる事が出来れば終了だよ♪』
そう言うとまた消えてしまう太陰。
そして一枚の符を取り出して気を練りだす司。
「我に組する式神よ、我の言葉に答え我に力を・・・」
そう言った瞬間、符は一匹の蛇の形になる。
騰蛇・・・先ほど捕まえた十二神獣のうちの一匹である。
『どうした?主よ』
騰蛇が話し掛けてくる。
「この空間から私を出してほしいの・・・できる?」
そう言い騰蛇に聞いてみる。
その言葉に笑いを浮かべて騰蛇はある一転を指差す。
その方向には鏡が吊るされていた。
「写奪鏡・・・?」
『その通り・・・アレを壊せばこの世界から出ることができる・・・だが、我にアレを壊す事は不可能・・・だが、主殿にはあれを壊す事ができるだろう』
そう言い符に戻る騰蛇。
その言葉を聞いた瞬間司は出せる限りの呪力を写奪鏡にぶつけた。
鏡は鷲を貫くように割れ、砕け散る。
それと同時に周囲の空間も一緒に、まるで鏡のように崩れていく。
試練の終わり。
呆気なくそれでいて虚しい幕切れ・・・
誰かの犠牲を出して捕まえる式。
前回は魁斗、そして今回はもう一人の私・・・
虚しいだけの戦い・・・
こんなもの・・・いつもで続くのだろう。
騰苦で誰かがよんで居る。
「司ー!!!」
「お姉様~」
「開祖様」
その声に目を開ける司。
その声の主は竜也、沙羅、狼牙である。
涙する三人の中で司もまた泣いていた。
それは嬉しさのためか悲しみのせためなのか・・・それはだれにも解らなかった・・・涙する司にも・・・
司が送るフリートークコーナー
「お久しぶりです♪司です」
「竜也だ」
「何か機嫌が悪いね・・・竜君」
「司・・・これからは俺も前で危険な事すなや・・・」
「でも、今回は仕方がなかったと思うし・・・」
「言う事聞けんのか?ピーピー泣かしたろうか?」
ぴんぴんぴんぴん←吹くのボタンが弾け飛ぶ音
「聞く聞く聞きますから・・・」
「それで良い」
「怖かったよ~・・・竜君一瞬肉食獣の目をしてたよ~」
「それではまた次回に~」