竜也達が歩く
一人は親友の友を傷つけたものを探し
また一人はそのものの主のために
そして一人は心の闇を払うために
ただ闇の中を
当ても無く探しつづける
「ところで・・・」
ふいに竜也が言葉を発する。
その言葉にそちらを向かずに耳を傾ける狼牙と佐鬼。
「竜二って何の事や?」
「あなたの前世での名前・・・私たちは前世では開祖様に御支えする妖魔だったのよ」
竜也の問いに佐鬼が答える。
「開祖様はいくら無限に呪力が尽きる事は無いとは言え、それでも呪力の使用は避けなければならない体・・・そこで、開祖様の負担を軽くするために開祖様の変わりに戦い彼女の負担を軽くするそれが私たち妖魔の役目なの」
竜也はその事を覚えていない、故に自分が妖魔だなんて信じられなかった。
「それじゃあ、司は・・・司は元に戻るんか?さっきの話やと司が消えるみたいな事言うてたけど・・・」
竜也はその続きを聞くのが怖くなり話をそらす。
その雰囲気を悟ったのか佐鬼も話の流れにのる。
「それは私にも解らないわ、ただ、本の寄り代がショックを受け開祖様と入れ替わったと言う事だけは解るけど・・・」
そこまで黙ってあたりの気配を探っていた狼牙が口を開く。
「それはそうと、手っ取り早く奴をおびき寄せる方法はないのか?」
奴とはもちろん白虎の事である。
あのあと、屋上から出てきた三人はただ闇雲に気配を探すだけしかしていない、そんな効率の悪い方法で見つかるはずも無く今までかかってしまっていたのだ。
狼牙の言葉に佐鬼が反応する。
「ふふふ、私にいい考えがあるわ♪」
そう言い懐から巾着袋を取り出す。
「・・・?なんですか?それは?」
当然の疑問である。
その疑問を聞いた佐鬼は巾着袋の口を開け中のものを取り出して説明しだす。
「白虎って言うともともと虎が神獣化した物・・・と言うことは、猫化の動物のはずよ♪それならこれが効くはずだわ♪」
そう言い天高く物を掲げてみせる、それは、マタタビだった。
「そうか、それなら奴も・・・って、んな訳あるかい!!!」
スパーン
心地いい音と共に佐鬼に張扇を入れる竜也。
「いった~、何するのよ~・・・いい考えだと思ったのに~」
そう言い頭を押さえる佐鬼。
それを見ていた狼牙が溜息をついた瞬間、辺りに重い空気が立ち込める。
竜也は瞬間的に白虎だと理解し戦闘体勢にはいる。
それを見た狼牙が竜也に一丁の銃を手渡す。
「何やこれは?」
「それは、前世であなたが使っていた武器です」
竜也はそれを聞き嫌悪感を覚えるが、それどころではないと思い改めてその銃を構える。
「体系は俺と佐鬼が前列での攻撃、竜二が後列での援護・・・って、佐鬼は何処だ?」
そう言い辺りを見回す狼牙。
「俺は竜也だ!!!」
そして、獣が姿を現す。
それは、先ほどの戦いよりも体が大きくなっているように見えた・・・
『くくくく、今度の餌は狼と龍か・・・』
そう言い竜也達の周りをゆっくり闊歩しだす白虎。
「しょうがない・・・さっきの体系を俺たちでするしかないようです・・・」
そう言い戦闘体制に入る。
そして、再戦のゴングが鳴らされる。
司が送るフリートークコーナー
・・・・・・・・・・・・
「司さ~ん、ちゃんとやってくださいよ~」
「何故我がそのような事をしなければならんのだ?」
「それは、作者の都合です」
「開祖様~♪そんな事より遊びましょうよ~」
「佐鬼、くっ付くなとどれだけ言えば・・・」
「・・・解らないんですよ、馬鹿ですから・・・」
「なにおう?」
「いい加減にしてください!!!」
「「「・・・・・・」」」
「もう今回は良いですから次回からはちゃんとお願いしますね!!!」
「「「は、はい・・・」」」
「はあ、それじゃあまた次回に」