この言葉の真意を知るために
少年は一人
屋上にたたずむ
そこに何処からかもう一人少年が姿を現す
「もう来ていたんですね・・・竜也さん」
少年は竜也と呼ばれた少年に歩を進めながら話す。
「ああ、4時眼目はサボったからな・・・」
歩を進める少年に向き直り少年の質問に答える。
「そうですか・・・」
そう言いその場に止まり竜也の顔を仰ぐ少年。
「それじゃあ聞かせてもらおうか・・・契約ってなんや?」
そういった竜也の顔は真剣だった。
その顔を見た少年は観念したように喋りだす。
「契約、それは盟約・・・害する事の出来ない約束・・・それを築いてしまうと・・・」
そこで言葉を切り躊躇う少年。
その戸惑いを振り払うかのように首を振るとそのまま話し出す。
「契約者の意思には逆らえず、逆に自分を殺す事となる・・・それに、此処は現世・・・司さんはこの世界じゃあ、肉体がありません・・・」
その言葉にすぐさま反応する竜也。
「肉体が無いってどういう事や!!司は喋ってるやないか、それに触る事も出来た・・・」
そこまで言った竜也を少年は首を振り静止し話を続ける。
「我々陰陽寮の者はすべてが思念体なのです、もちろん司さんも・・・ですが、我々は現世に送り出すだけじゃありません」
竜也はあまりの言葉に言葉を失っている。
そんな竜也に少年は話しを続ける。
「我々が現世に下りる最終条件として自分の肉体を探させる・・・としているのです」
「ちょっと待て、それじゃあ司は何で実体がないんや?」
竜也は信じたくない一心で叫ぶ、ただ目の前の少年に向かい・・・
「司さんの肉体はすでにこの世に存在しないんです」
信じたくなかった言葉が少年の口から繰り出される。
「肉体が存在しない今、少しでも力を使うと言う事は、自分で自分を殺そうと・・・いえ、消そうとしているのと同じ事・・・そこに契約をする時その契約者に自分の呪力を半分授けなければならないのです」
あまりにも酷すぎる答え。
それは、竜也が考えていたものより数倍も酷いものだった。
「そんな事をしたら司さんは・・・」
少年がそこまで言った瞬間、辺りにただならぬ気配が漂いだす。
次第にその気配は昇降口の裏手にある影の部分に集まりだす。
『くくくくく、強い力を持った者が二人も・・・』
気配は一つになりそこから白い獣が姿を現す。
それを見た少年は表情を氷つかせる。
「貴様は、白虎!!!何故お前が実体化している」
『ほう、これはこれは・・・陰陽寮の陰陽師ですか』
そう言い不気味な笑いをする白虎。
「竜也さん此処は私が引き受けます。すぐに司さんを呼んで来てください」
そう言い戦闘体制にはいる少年。
「せやけど、司は呪力を・・・」
「大丈夫です、司さんは改組の呪力を継ぐものです。司さんなら白虎を止める事ができるはずです」
そこまで言い竜也を走らせるために白虎に呪符を放つ。
その呪符は意思を持つかのように白虎のそばまで飛び、破裂する。
それが合図だったかの様に昇降口の扉まで走る竜也。
扉を潜った竜也はそのまま司が居るであろう教室へ走っていった。
竜也が走り去った後、扉の無効では物凄い爆音が轟いていた。
司の陰陽解説コーナー
ぱふぱふ ドンドンドン
「はい、司です」
「魁斗です」
「あ、今日は魁ちゃんなんですね♪」
「魁・・・ちゃん?」
「そう、可愛いでしょう♪」
「まあ良いです・・・」
「でも魁ちゃん・・・言っちゃったね・・・契約の事」
「はい」
「何でそんな事を・・・」
「それは本編の言葉でしょう、多分次回辺りの・・・」
「「・・・・・・・・・・・・」」
「それではまたです~」
「それはそうとこの小説の作者って・・・」