永久への約束 ~とわへのやくそく~
秋の空
第四羽 「少女」
踏み入れてはいけない

領域と言うものが存在する

そして、知らなくてもいいことも・・・






部屋の中、一人の少年がベットに横になっていた。
少年の名は竜也。

「契約か・・・」

誰に向かって言うのでもなく、一人呟く。

「契約について詳しい事を知りたいか?」

竜也は急に話し掛けられ、体を起こし声のしたほうへ振り向く。
そこには、一人の少年がいた。
それは先刻まで司といたはずの少年だった。

「ああ、ぜひとも聞かせてもらいたいな・・・」

竜也はその少年に話し掛ける、どこか怒気のはらんだ声で。

「今すぐに・・・」

そう言い少年を睨みつける。
だが少年は、俯き何かを考えている。
そして再度顔を上げ、言葉を続ける。

「今すぐには無理だが・・・明日、貴方達が学校を終えて放課後になったら司様を撒いてここへ来てください」

そう言い持っていた紙を竜也に渡す。
そこには『11:30 学校の屋上』とだけ書かれていた。
それだけを言い終えると少年は闇に溶けるように消えていった。

「おもろいやないか・・・」

そう言い紙を握りつぶす竜也、そしてそのままベットに潜り込む。



時を同じくして

「司さん、そこまでして探しますか?」

先ほどの少年が呆れ顔で司を見ている。

「だって、何処を探しても魁斗君いないんだもん」

そう言って司がやっていた事、それは『鏡占い』だった。
それを見た魁斗は大きく溜息をついて、優しい微笑を見せながら言う。

「すいません司さん、どうしてもしなければならない用事だったんです。もう遅いですし寝ましょう」

最後に明日の学校に寝坊しますよと言っていたが、そんな言葉は司には届いていなかった。
ただただ、安息のためか涙を流して魁斗に抱きついていた。



時は同じくここは学校
ここは明日から司達が通う学校。
だが、その新しい外装とは裏腹に建物の中にはおぞましい空気が漂っていた。
その重々しい空気の中心に中年の男と少女が立っている。
男は壁にもたれかかりカタカタと振るえている、それは何かに怯えるように・・・

「た・・・助けてくれ、俺は・・・俺はまだ死にたくない」

男が少女とナニカに向かい話し掛ける。
だが少女はその言葉を無視してナニカに合図を送る。
その合図を受けた瞬間、男の左腕は消えていた。
まるで、獣に食いちぎられたように・・・

「うぎゃあああぁぁぁぁ!!!俺の・・・俺の腕がぁぁぁ!!!!!」

男はリチウムの廊下を転げまわる。

「あらあら、動くからずれちゃったじゃないですか・・・」

そう言い闇の中心を見る。
すると闇から溶け出すように白い獣が姿を現した。
少女が獣に近づき最後の命令を下す。
するとまた獣は闇に消えた。その数秒後断末魔の悲鳴を残して男は跡形も残さずこの世から消えていた・・・
少女は、ただ男のいた所を見やり呟いた。

「貴方の力はもっと上がるはず・・・力を持つものを吸収すれば・・・貴方はもっともっと強くなれる・・・」

そう微笑んだ彼女の手には白く輝く紙が握られていた・・・



司が送るフリートークコーナー

ぱふぱふ ドンドンドン

「どうも司です♪」
「ん~~、んむ~~、んんん~~~」
「あれ?竜君、どうしたの?」
「ぷは~、知らんわい!!急に後からロープでぐるぐるまきにされて、目隠しされたかと思たら気づいたらここや」
「そ、そうですか・・・」
「それはそうと、またゲストが俺かい」
「そうらしいですね・・・ところで竜君・・・」
「疑問に思たことやろ?まっとたで」
「??何か聞きたい事でも?」
「前回言うたやろ、次回にはなすって・・・」
「あ、そうでしたね・・・でも、ここでは言えません。今度こそ次回にわかるからね」
「マジかよ・・・」
「他には?」
「無視かい、まあいいけどな。
う~ん、そうやな?それじゃあ鏡占いってなんや?」
「そのままだよ、鏡を使って占うの」
「それだけか?」
「うん、それだけ♪」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「「それじゃあ、また次回に・・・」」