永久への約束 ~とわへのやくそく~
秋の空
prologue
日本に存在する何の変哲も無い町

だが

その中に一軒だけ

異様な雰囲気を漂わせた家があった

それはまるで戦場に流れるような

何か異質なものを感じさせる建物

人は、その建物の名を

『陰陽寮』と呼び

忌み嫌っていた






ここは陰陽寮の中のある一室
風も吹き込まぬ部屋の最奥で
二人の少女が向き合っている
一人は白髪が腰にまで届くほど伸ばしたおっとりとした少女
また、一人は黒髪のショートが似合う凛々しい少女
そして黒髪の少女が徐に懐から『何か』を取り出し口を開いた
「おめでとう。これで今日からあなたは自由です。
これからは自分のために生き、人のためにここで学んだ事を使いなさい」
少女はそう言い、持っていた『符』に力をこめる。
そして、黒髪の少女が続ける。
「ですがその前に、あなたに最後の試練を授けます」
少女がそう言った瞬間『符』が人の姿に変わっていく。
「この式神を倒し、自分の式とするのです。」
そして目を閉じていた式神が目を開け戦いが始まった。

ドン!!!

すごい爆音と共に黒髪の少女の近くにいた式は白髪の少女に向かっていく。
「五行相剋 土・剋・水」
白髪の少女が言霊を唱えた瞬間、目前に光五星が現れる。
それに伴い式の体が凍りつく。
「これで終わりです」
そう言い白髪の少女は懐から扇子を取り出す。
「五行相扇」
少女が扇子を振るった瞬間電撃が式を襲う。



「おめでとうございます、司さん。これでその式はあなたの物です」
黒髪の少女はそう言い白髪の少女、司に式を操るための『符』を渡す。
「あなたはこれで正式な陰陽師と言う事です。」
少女は微笑みながら言葉を続ける。
「司さん、これからはどうするつもりですか?」
黒髪の少女が司に尋ねる。すると司は満面の笑みを浮べて
「幼い頃の約束を果たしに行きたいと思います」
黒髪の少女はそれを聞き微笑を浮べ
「そうですか、ですが司さん、あなたにとっての修行はまだ続いているのです。その事だけは心に残しておいて下さい」
そして、ここから司の冒険が始まるのだった。



司の陰陽解説コーナー

パフパフ ドンドンドン

え~とこのコーナーは本編での用語を解説するコーナーなんです。
まずは、
陰陽師<おんみょうじ>:幻の術を使い物の怪を葬る事を生業としている人の事です。その前の修行僧は名前を名乗ってはいけないと言うしきたりも有るんですね~。ちなみに昔は女の人は陰陽師にすらなれなかったんですね~。(今は男女共に陰陽師になれるらしい)

陰陽寮<おんみょうりょう>:陰陽師を育てるための施設・学校みたいなものです。ここで陰陽師の訓練をし外に出るのですね~。
本当の陰陽寮は昔物の怪に襲われて壊滅したと伝えられている。

五行相剋<ごぎょうそうこく>:陰陽の理で木・火・土・金・水の事です。この世の全てには必ずこの属性が当てはまると言う事なんです。

土・剋・水<ど・こく・すい>:簡単に言うと五行相剋を利用した呪文です。意味は「土は水に勝つ」という事らしいですけど・・・
よく解らないです。
その他にも「水は火に勝つ」「火は金に勝つ」「木は土に勝つ」「土は水に勝つ」「金は木に勝つ」などが有ります。これを繋いで五ぼう星のよく見る印呪となるのです。

五行相扇<ごぎょうそうせん>:五行相剋の力を宿した扇子です。
私の必殺の武器です。

式神<しきがみ>:陰陽師が使役する使い魔の一種。
その役割は式により変わるみたいです。式は使い手の呪力を食べて生きています。

こんな感じです。どうですか?解りましたか?
それではです~。